研究課題/領域番号 |
23592294
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
山下 幸一 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (80335950)
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研究分担者 |
阿部 秀宏 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (20335920)
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キーワード | 脈波伝播時間 / 心拍出量 / 循環管理アルゴリズム |
研究概要 |
本研究は、心拍出量と末梢循環状態を簡便かつ非侵襲的に測定し、循環管理を視覚化する研究である。研究対象は、心電図R波から指尖におけるプレシスモグラム波形間の時間で定義される脈波伝播時間(Pulsewave Transit Time; PWTT)で、通常のモニターから非侵襲的に検出可能な循環パラメータである。しかし、現在までリアルタイムの解析が難しく注目されてこなかった。本研究では、PWTTの①循環血液量、②末梢血管抵抗、③血液粘度また④人工呼吸の影響を明らかにして循環管理の新たな指標としての可能性を追求し、新しい循環管理アルゴリズム開発へつなげることを目標とする。高知大学麻酔科学講座実験室内にある大型動物実験施設において、全身麻酔下の豚を用いて実験を施行する。平成24年度までに、10頭の豚を用い四肢の心電図電極と舌に装着したパルスオキシメータを用いてPWTTを計測し、超音波流量計を用いた上行大動脈血流量と大動脈弓部血圧、外頚動脈圧、肺動脈圧、中心静脈圧を輸血・輸液投与、血管収縮・拡張薬投与、急速脱血前後で同時に測定し比較検討を行う。平成25年度は、追加5頭を用いて呼吸パラメータの変化を含めPWTTを測定・評価し循環管理アルゴリズムの作成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに25頭の豚を用いて実験を行った。当初予定したより実験手技が煩雑でありデータ収集に難渋した関係で実験進行度は約8割程度となっている。研究報告は随時行っており国内では日本麻酔科学会、日本集中治療医学会、日本心臓血管麻酔学会、国外ではInternational Anesthesia Resarch Society, European Society of Intensive Care Medicineで発表を行った。平成24年度日本集中治療医学会総会では優秀演題に選出されるなど注目される研究テーマとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、データ不足分のデータ補足を行う予定である。現在のところ5頭の追加実験を予定している。発表データを含めてデータ解析を詳細にすすめ本年度は国際誌に研究結果を発表する予定である。学会発表としては国内、国外で開催される国際学会で発表を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
すべて追加実験の費用として使用する予定である。当初計画より実験頭数が増えたことにより当初旅費に計上していた金額を実験諸費用に使用し追加実験を行う予定である。
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