研究課題
申請者らは本研究を通じてヒトにおけるTACR1遺伝子のプロモーター領域におけるメチル化率は術後悪心嘔吐(PONV)と関連することを発見した。このことはTACR1遺伝子はPONVに関係しており、その発現はPONVの程度と相関することを示している。また本研究を通じ、ヒトにおけるエストロゲン応答配列(ERE)内の一塩基多型(SNP)はPONVの強度を変化させることを発見し、このことはエストロゲンの血中濃度がPONVの発症と関与する分子生物学的機序の一端である可能性が示唆された。この仮説を証明するべく、平成25年度、申請者らはマウスを用いた術後悪心嘔吐モデルを作製し、術後悪心嘔吐モデルマウスにおいてエストロゲンはオピオイドの存在下にPONVの強度を増大させることを行動学的に証明し、その機序としては脳内の嘔吐中枢におけるTACR1遺伝子のmRNAおよび受容体蛋白の発現量が増大していることに起因する可能性を発見した。
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Biomed Rep.
巻: 2 ページ: 265-269
10.3892/br.2013.210