研究課題/領域番号 |
23592302
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中村 京太 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00287731)
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研究分担者 |
佐藤 仁 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70453040)
石山 美保 横浜市立大学, 大学病院, 助教 (80505917)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 周術期管理学 / シミュレーション教育 |
研究概要 |
<シミュレーターを利用した各種教育プログラムの展開と受講者・指導者因子に関する情報収集> 大学附属2病院内および関連施設を対象に、計3回のシナリオトレーニングを実施した。内2回(2012年1/4、3/9)は、実際の臨床現場である手術室を利用し、後期研修医を含む多職種参加型で実施した。1回は後期研修医を対象にシミュレーションセンターで実施した。TechnicalとNon-technical skillの両面からプログラムし、パフォーマンス評価ならびにアンケート調査によって情報収集を行った。<指導者養成プログラムの検討> シミュレーション教育関連研究会では、Dr.McLaughlin (Univ.of New Mexico)の講演「Simulation in Graduate Medical Education」に参加し、多職種参加によるチームトレーニングや医療現場でのシミュレーション、プロフェッショナリズム教育での有用性と指導者養成の重要性を直接議論することができた。 臨床麻酔学会学術集会では、Dr.Collins (UCSF)の招待講演ならびにワークショップに参加し、直接議論する場を得た。Dr.Collinsは、米国麻酔学会の専門医更新で必要となるシミュレーションプログラム運営に携わっている。議論の中で、米国麻酔学会が専門医資格更新で求めているものは、個々のtechnical skillではなく、チーム医療展開やコミュニケーションスキルといったnon-technical skillであることに、驚きを覚えたのとともに、教育方法としてシミュレーションが非常有用であり、特に『Debriefing』をどのように実施するかがKey pointになるという点で見解が一致した。特にこの2回の米国医師との意見交換は、今後のプログラム作成において方向性の確認と言う意味でも有用であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災に対する医療支援を継続していた関係で、特に年度前半は研究へのエフォート率が低下した。 また年度後半には、医学部学生定員増加に伴う本学シミュレーションセンターの大規模改修工事が進行中であり、備品購入時期がずれ込むなど、若干の影響が及んだが、概ね計画時の想定範囲内と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
<シミュレーターを利用した各種教育プログラムの展開と受講者・指導者因子に関する情報収集> 昨年度同様、シミュレーション教育プログラムを展開する。これまでよりも、特にtechnical skillのみでなく、non-technical skillに重点をおいたプログラム構成を再考する。<指導者養成プログラムの検討> 第1回の指導者養成プログラム開催準備を行う。これまでの講習会での結果や、国内外で収集した情報をベースに、non-technical skillに重点をおいた教育を展開できるような指導者養成に向けてのプログラム素案を作成し、可能であれば開催を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまでの実績から、特に受講者側のニーズが高い外科的気道確保のトレーナーの追加および関連消耗品の購入が中心になると考えている。シミュレーションセンター改修工事が終了する年度中盤以降、Debriefing目的のビデオシステムの納入を考えている。また、第1回指導者養成プログラム開催にあたって、運営関連事務費用等に使用する。その他、成果発表ならびに情報収集のための学会参加費用に使用する計画である。
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