研究課題/領域番号 |
23592302
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中村 京太 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00287731)
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研究分担者 |
佐藤 仁 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70453040)
石山 美保 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (80505917)
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キーワード | 周術期管理学 / シミュレーション教育 |
研究概要 |
<シミュレーターを利用した各種教育プログラムの展開と受講者・指導者因子に関する情報収集> これまでのシミュレーション教育を通して、シミュレーターの使用をサポートするような補助教材の作成が必要であるという考えに至った。本年度、ipadなどtabletPCのCLOUD機能を利用することで、学習目標獲得をサポートする補助教材の開発を実施し、麻酔関連17項目を作成した。 <指導者養成プログラムの検討> 講演、パネリストとして参加の機会を得た学会、講習会等を通して、個々の『technical skill』だけでなく、むしろチーム医療展開やコミュニケーションスキルといった『non-technical skill』が、すでに海外では専門医養成および資格維持に求められていることを知り、国内においても教育手法として有用とされるシミュレーション手法を有効に活用する必要性があるという認識を得た。また、院内外の緊急事態という意味で、医師が主に活躍する現場は、『多職種の連携』がKeyとなる場面が多く、しかも『リーダーシップ』を発揮することが求められ、患者の治療に直接の影響を与える可能性があるという認識を共有した。 これらの結果から、これまでも我々は多職種でのシミュレーション教育を実践してきているが、より『関連職種連携教育IPE: Interprofessional education』という概念を意識し、その教育者となることができる人材育成を考える必要があると考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が、学内で主たる臨床勤務部署の異動が生じたため(所属、役職の変更なし)、新しい臨床環境でのセットアップに時間を要した。また、これまでの横浜市立大学附属病院シミュレーションセンター救急危機管理部門責任者の役に加え、新勤務部署である横浜市立大学附属市民総合医療センターにおいても、新たに『メディカルトレーニングセンター』を開設し、その業務に携わったこともあり、全体として進行がやや遅れている。 平成24年度中に、可能であれば指導者養成プログラムのpilotコースの開催を希望していたが、時間的に間に合わなかった。
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今後の研究の推進方策 |
<シミュレーターを利用した各種教育プログラムの展開と受講者・指導者因子に関する情報収集> 昨年度同様、シミュレーション教育プログラムを展開する。特に『関連職種連携教育IPE: Interprofessional education』と『non-technical skill』というキーワードに重点をおいたプログラム有用性について検討する。 <指導者養成プログラムの検討> 第1回の指導者養成プログラム開催に向けたプログラムの詰めを行う。特に『IPE』を展開するにも中心的役割りを果たすことができる医師を育成するために『non-technical skill』をどのように教育するかという視点でプログラムを作成し開催する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、研究代表者の学内における主たる臨床勤務部署の異動が生じたため新しい臨床環境でのセットアップに時間を要し、あわせて新たな『メディカルトレーニングセンター』の環境整備、すなわち施設のハード面の整備にエフォートを要し、当初予定していた外科的気道確保トレーナーや関連消耗品の追加といった各論的ソフト面の購入までは至らなかった。また同様に開催の可能性を考慮していた指導者養成プログラムも開催に至らず、計上していた運営関連事務費用を使用できなかった。 平成25年度は、学内2附属病院にそれぞれ設置されたシミュレーショントレーニング施設の双方に関与する立場として、両センターの有機的連携に向け、新トレーニングセンターのさらなる環境整備、特に情報管理・通信の整備の補助目的での使用を計画している。これにより多くの麻酔科スタッフが病院間を移動することなくプログラムに参加できるようになれば、これまで多忙な医師にとって大きなハードルとなっていた、受講時間や移動距離の問題が解決できる可能性がある。その他、成果発表ならびに情報収集のための学会参加費用に使用する計画である。
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