冷却により硬膜外穿刺の際に、ヒト黄色靭帯の伸展変形が抑制されるかを知るために、(1)ブタ黄色靭帯のヤング率の温度特性計測、(2)得られた実験結果を基にした有限要素解析を実施した。冷凍室での引張試験によりヤング率を測定した。試験の結果、ヤング率は24℃で0.83 MPa、-10℃で1.03 MPaと1.24倍大きくなった。引張試験から得られた応力ひずみ線図を1次Ogdenモデルにより、黄色靭帯の超弾性体としてのパラメータを同定した。黄色靭帯の平板モデルに、先端の尖った棒モデルを押し当てる非線形有限要素解析を実施した。その結果、常温に比べ-10℃では変形が27%低減しうることが示された。
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