研究課題/領域番号 |
23592321
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
丸山 覚 北海道大学, 大学病院, 助教 (80507591)
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研究分担者 |
篠原 信雄 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90250422)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / ダイオキシン受容体 / Indirubin |
研究概要 |
ダイオキシン類の前立腺癌細胞 (LNCaP)に対する影響を確認するため以下の実験を行った。 ARおよびAhR発現しているLNCaPにMMTV-Luc(AR結合配列を含むプロモーター領域をもつレポーターベクター)を発現させ、ルシフェラーゼアッセイを行った。各条件の細胞株のARおよびAhRの発現量(mRNA、タンパク)をそれぞれ定量的Real-time PCR法およびウエスタンブロット法で確認した。以上を、同様にDHTおよび各種ダイオキシン類(Indirubin, 3MC)の有無、また添加量を変えて検討を行った。結果としてダイオキシン類を投与した場合、用量依存的にアンドロゲン受容体の転写活性が低下することを確認した。これはプロテアソーム阻害剤により抑制されたことよりダイオキシン類のアンドロゲン受容体分解が関与していることが示唆された。 ARおよびAhR発現しているLNCaPをマルチウエルプレートにて培養し、細胞数の計測(細胞増殖曲線の作成)とMTTアッセイ(2日ごとにOD490をルミノメーターにて測定)を行った。結果としてアンドロゲンの有無にかかわらず、ダイオキシン類(Indirubin, 3MC)添加により、用量依存的にホルモン依存性前立腺癌細胞の増殖が抑制された。 上記ダイオキシン類をいくつかの投与量にふってマウスに経口および経腹膜投与を行い連日観察を施行中である。 パラフィン固定した前立腺手術組織検体でAhR抗体を用いて免疫組織染色を行いタンパク質レベルでの発現量をみる準備をしている。また凍結組織検体を用いて定量的Real-time PCR法にてAhRのmRNA量を調べるため、手術患者の臨床検体を保存している。今後、前立腺癌の異型度や予後などの臨床的パラメーター(臨床病期、PSA値、組織分化度(グリーソンスコア)、予後(PSA再発))との相関の有無を確認する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの購入、飼育可能な条件を満たすまで諸処事情により遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は立ち後れている免疫不全マウス造腫瘍性の実験を可能な限り早急に開始し、臨床検体での免疫染色を随時施行していく予定である。
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