研究概要 |
近年、多数行われてきた前立腺癌の全ゲノム関連解析(Genome-wide association study: GWAS)から同定された30 SNPsを選択し、散発性(SPC)および家族性前立腺癌(FPC)との関連を検討した。 対象は、FPC、146家系の発端者、SPC 202例、対照として前立腺肥大症 122例とした。30 SNPsはTaqMan SNP genotyping assays(ABI)を用いてGenotypingを行った。30 SNPsの内、アレル頻度から、SPCとFPCを一元的に解析可能な16 SNPsに絞り、Risk alleleを決定した後、常染色体優性遺伝モデルを用いてRisk genotypeをRisk allele carrier対non carrierとして解析を行った。カイ二乗検定およびロジスティクス回帰分析で解析した。 単変量解析では、SPC群で3 SNPs、FPC群で5 SNPsが単独で有意に前立腺癌リスクを増加するSNPsが同定された。16 SNPs 中、10個以上のRisk genotypeを持つことで、SPC群でOR 2.61 (95% CI: 1.64-4.14, P value: 3.83E-5), FPC群で4.23 (2.52-7.09, 2.00E-8)、とそれぞれリスクを増加することが分かった。多変量解析では、16 SNPsを用いたリスクアセスメントモデルは、ROC解析から、SPCでAUC 0.679 (0.621-0.737)、FPCで0.758 (0.701-0.816)と家族歴の有無から前立腺癌を予測するのに有用であると考えられた。
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