研究課題/領域番号 |
23592331
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
村蒔 基次 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10448178)
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研究分担者 |
三宅 秀明 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60379435)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 膀胱癌 / 腎盂癌 / 尿路上皮癌 / 上皮間葉転換 / N-cadheri / E-cadherin |
研究概要 |
我々の組織学的検討により、表在膀胱癌においてN-cadherinの発現亢進症例において有意に高頻度に術後膀胱内再発が高く、独立した予後因子であることが確認されたため、腎盂尿管癌についても免疫組織学的検討を加えていた。腎盂尿管癌において術後膀胱内および膀胱外再発のいずれについてもN-cadherin発現亢進は独立した予測因子であることを投稿中であったが、さらに上部尿路 尿路上皮癌におけるEMT関連免疫組織学的知見を、本研究の一環として投稿中論文に追加し、再投稿した。その結果、Urology 2011, 78(6): 1443 e7-12に掲載された。 E-cadherinおよびN-cadherinのmRNAレベルおよびタンパクレベルでの発現をそれぞれ、リアルタイムRT-PCR法およびウエスタンブロット法にて解析した。その結果、我々が所有するヒトおよびマウス膀胱癌培養細胞のうち数種類からN-cadherin過剰発現を認めた(未公開)。VimentinおよびFibronectinについてもmRNAレベルおよびタンパクレベルでの発現スクリーニングを行った。これら過剰発現株よりN-cadherin全長CDSをPCR法により増幅、精製し、ヒト発現ベクターを作成した。 E-cadherin発現陽性かつN-cadherin発現陰性の膀胱癌親細胞株をスクリーニング確認したため、市販のE-cadherinに対するshort hairpin siRNA導入ベクターを購入し、E-cadherinのノックダウンを行い安定株を得た。N-cadherin過剰発現系が実験途上のためE-cadherinのノックダウン安定株は冷凍保存している。現在E-cadherin発現陽性かつN-cadherin発現陽性膀胱癌株にたいし、E-cadherinノックダウンを行い、安定株の樹立を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
N-cadherinの全長CDSをpcDNA3.1への導入を行い発現ベクターを作成したが、有効なN-cadherin蛋白発現をウエスタンブロットにて見いだせなかった。原因としてはCDSを増幅するPCRが至適でなかったと思われ、PCR産物のシークエンスの確認などを施行中である。従って過剰発現系での in vitroおよびin vivo実験において計画より遅れが見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
N-cadherin の過剰発現系の実験が、根本となる発現ベクターの作成において中途となっている。他の実験系およびE-cadherinのノックダウン系の実験は順調に推移している。
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次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ計画通りの実験遂行が可能と思われるが、N-cadherinの過剰発現ベクターの作成が困難な場合は、すでに過剰発減している細胞株からのN-cadherinノックダウンを試みる。
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