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2012 年度 実施状況報告書

尿路上皮癌の悪性進展における上皮間葉転換の分子生物学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23592331
研究機関神戸大学

研究代表者

村蒔 基次  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10448178)

研究分担者 三宅 秀明  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60379435)
キーワード膀胱癌 / 尿路上皮癌 / 上皮間葉転換 / N-cadherin / E-cadhein
研究概要

我々の組織学的検討により、表在膀胱癌においてN-cadherinの発現亢進症例において有意に高頻度に術後膀胱内再発が高く、独立した予後因子であることが確認されたため、腎盂尿管癌についても免疫組織学的検討を加えていた。腎盂尿管癌において術後膀胱内および
膀胱外再発のいずれについてもN-cadherin発現亢進は独立した予測因子であることを投稿中であったが、さらに上部尿路 尿路上皮癌におけるEMT関連免疫組織学的知見を、本研究の一環として投稿中論文に追加し、再投稿した。その結果、Urology 2011, 78(6): 1443
e7-12に掲載された。同様の検討を非転移性腎細胞癌の手術症例について検討を実施したところ、N-cadherinとE-cadherinの発現パターンが術後非再発生存率と有意に相関しており、独立した予後予測因子と見なされた。同所見を昨年の癌学会で報告した。
E-cadherin発現陽性かつN-cadherin発現陰性の膀胱癌親細胞株をスクリーニング確認したため、市販のE-cadherinに対するshort hairpin siRNA導入ベクターを購入し、E-cadherinのノックダウンを行い安定株を得た。N-cadherin過剰発現系が実験途上のためE-cadherinのノックダウン安定株は冷凍保存している。現在E-cadherin発現陽性かつN-cadherin発現陽性膀胱癌株にたいし、E-cadherinノックダウンを行い、安定株の樹立行い現在機能解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

E-cadherin発現陽性かつN-cadherin発現陽性膀胱癌株にたいし、E-cadherinノックダウンを行い、安定株の樹立行い現在機能解析中である。Preliminary dataであるが、母細胞と比較して、細胞増殖曲線とwound healing assayにて有意差を認めており、癌細胞の生物学的悪性度との関連が強く示唆されている。しかしながらN-cadherin の過剰発現系のベクターの作成が難航している。また、本研究と直接関連しないかも知れないが、腎細胞癌の手術症例において、N-cadherinとE-cadherinの発現パターンと予後が相関している知見を得ている。現在英語論文を投稿中である。この知見は本研究課題における仮説が、尿路上皮癌のみならず、腎細胞癌にも当てはまる可能性を示唆しており、さらなる研究の発展が期待できると考えている。現在、他の泌尿器科領域の固形癌(前立腺癌)における免疫組織学的検討を並行して実施している。

今後の研究の推進方策

N-cadherin の過剰発現系のベクターの作成が難航している。すでに過剰発減している細胞株からのN-cadherinノックダウンを試みるも有意なノックダウンが得られず、過剰発減ベクターの作成に注力することにしている。本研究の中核をなすと思われる課程なので、本年度中に作成および安定株の樹立を行う。また、泌尿器科関連の固形癌(腎癌および前立腺癌)において、本研究の仮定が当てはまることを強く示唆するデータの蓄積が進んでおり、本研究の発展的展開として検討症例数を増やしていく方針である。

次年度の研究費の使用計画

N-cadherinの過剰発現ベクターの作成に注力する。安定株が得られれば、実験計画通りに可及的早期にin vivoまで実験を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Expression profile of E-cadherin, N-cadherin and P-cadherin in renal cell carcinoma as prognostic indicators.2012

    • 著者名/発表者名
      村蒔基次
    • 学会等名
      日本癌学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120919-20120921

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公開日: 2014-07-24  

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