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2011 年度 実施状況報告書

中心体複製異常を指標とした新しい膀胱癌治療の試み

研究課題

研究課題/領域番号 23592333
研究機関山口大学

研究代表者

松山 豪泰  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70209667)

研究分担者 佐々木 功典  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80116722)
原 貴彦  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70511715)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード膀胱癌 / 中心体複製異常 / 薬剤感受性 / パクリタキセル
研究概要

本研究の目的は膀胱癌の腫瘍進展に強い影響を与える中心体複製異常の責任遺伝子として推定されたTPPPの臨床検体における発現を検討し、その発現と中心体複製異常との関連性が確認された場合、miR-1導入治療により中心体複製異常を改善できるか、また複製異常是正によりパクリタキセル耐性を克服できるかを検討することである。平成23年度は臨床検体20例を用いて抗TPPP抗体を用いた免疫組織染色により、その発現状況を検討したところ、染色は腫瘍以外の部分に見られ、複製異常とも関連を認めなかった。そこで以前に施行した尿路上皮癌73例のarray CGHデータ(複製異常あり:33、なし:40)を2つのバイオインフォーマティクスの解析方法(確率密度関数を用いた交差検定およびWilcoxonの順位和検定)により再解析したところ、領域番号1086 (10q24.31),1238 (5q31.1) が中心体複製異常をきたす症例において有意に発現が亢進していることが判明した。これらの解析結果を用いて以下の論文を作成した。Yamamoto Y et al: Centrosome amplification as a putative prognostic biomarker for the classification of urothelial carcinomas. Hum Pathol. 2011 Dec;42(12):1923-30.また現在以下の論文がacceptされた。Misumi, T et al: DNA copy number aberrations associated with Lymphovascular invasion in upper urinary tract urothelial carcinoma. Cancer Genet. (in press), 2012

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初推定していたTPPP発現と中心体異常との関連が本研究では見られなかったため、再度arrayCGHデータをバイオインフォーマティクス解析による再解析を余儀なくされたためである。その結果、前回とは異なる染色体領域が同定され、現在その領域上の遺伝子検索中である。

今後の研究の推進方策

今後の研究は今回新たに同定された遺伝子と中心体複製異常との関連を検討すべく、1)臨床検体を用いた同遺伝子の発現状況と中心多複製異常との関連検索2)有意の関連が見られた遺伝子に対するmiRNAの検索(データベース解析)3)同定されたmiRNAを用いた培養細胞接触実験と中心体複製異常細胞数の増減検討4)上記によるパクリタキセル感受性の検討以上の4ステップで研究を進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は以下の実験をおこなう予定である。1)今回新たに同定された中心体複製異常に関連する遺伝子の発現状況を臨床検体で解析し、複製異常を規定する遺伝子を同定する。2)同定された遺伝子を抑制するmRNAをデータベースより解析し、同mRNA投与により発現抑制実験を行い、当研究室が保有する膀胱癌培養細胞株を用いて複製異常細胞数の割合を検討する。上記実験のデータ整理、試薬購入などのため研究員に謝金を支払う。今年度施行できなかったmiRNA解析を次年度おこない、今年度執行できなかった経費を次年度執行の予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Centrosome amplification as a putative prognostic biomarker for the classification of urothelial carcinomas2011

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Y et al
    • 雑誌名

      Hum Pathology

      巻: 42 ページ: 1923-1930

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 筋層非浸潤性膀胱癌の予後2011

    • 著者名/発表者名
      松山豪泰
    • 雑誌名

      西日本泌尿器科

      巻: 73 ページ: 538-547

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公開日: 2013-07-10  

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