研究課題
本研究の目的は膀胱癌の腫瘍進展に強い影響を与える中心体複製異常(以下CA)の責任遺伝子の臨床検体における発現を検討し、同遺伝子を制御するmicroRNA導入治療により中心体複製異常を改善できるか、また複製異常是正によりパクリタキセル耐性を克服できるかを検討することである。方法:(1)Array-CGH法にてCA陽性例と陰性例の間でコピー数が有意に異なる遺伝子をピックアップし、(2)同定された遺伝子群をターゲットとしている可能性のあるmicroRNA (以下miR)を公開データベースで検索し、標的microRNAおよびその遺伝子を絞り込んだ。また(3)同定された遺伝子をCA非発現培養細胞株(KK47)に強制発現させた株を用いて親株との差異を検討した。結果:(1) XRCC5、SPOP、SLC35B1、ZNF713、MRPS17、GBAS、CCDC83などの遺伝子群がCA陽性例で有意のコピー数変異をきたしていた。(2)AuroraA関連遺伝子を制御し、KK47で特異的に変動しているmiRとしてhsa-let-7c、hsa-miR-1225-5p、hsa-miR-1268、hsa-miR-17、hsa-miR-193b、hsa-miR-196a、hsa-miR-19a、hsa-miR-92aがリストアップされ、(1)の遺伝子群をターゲットとしている可能性のある関連を2つの異なる公開データベース検索した結果、共通するmicroRNAおよびそのターゲット遺伝子としてhsa-miR-1225-5pおよびGBASがリストアップされた。(3)CA陰性であるKK47株にGBASを強制発現させた株を樹立し、親株と比較検討したところ、CAは有意に増加し、CA陽性株であることが確認された。現在、親株と樹立株の間で増殖、浸潤能、パクリタキセル感受性について検討中である。
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