研究課題/領域番号 |
23592336
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
井川 掌 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40295069)
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研究分担者 |
酒井 英樹 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40235122)
大仁田 亨 長崎大学, 大学病院, 講師 (50452850)
竹原 浩介 長崎大学, 大学病院, 助教 (40580345)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / ミッドカイン / LNCaP細胞 / PC-3細胞 / 自然炎症 |
研究概要 |
「研究の目的」本研究では前立腺癌のアンドロゲン非依存性増殖・進展に関わる因子としてのミッドカイン(MK)の役割を解析することを目的とする。平成23年度は研究実施計画に基づいて、まずヒト前立腺癌におけるMKの発現を主として培養細胞系を用いて解析した。「研究の成果」(1)前立腺癌細胞株におけるMK蛋白発現のWestern Blot解析:LNCaP, PC-3, DU145の3種類の細胞を用いて、抗MK抗体2種類を用いて検討したところ、発現が確認できなかったため、ポジティブ・コントロールとしてリコンビナントMKを使用したところ、S社抗体では検出できなかったが、E社抗体ではポジティブ・コントロールのバンドが蛋白量に比例して検出された。よって、以下の実験にはE社抗体を1次抗体として使用することとした。しかしながら、ポジティブ・コントロールに比較して、各Cell LineでのMK発現は極わずかであり、この条件での発現確認は困難であった。(2)細胞処理後のMK発現解析:通常培養条件下ではMKの発現が確認されなかったため、LNCaP細胞をDihydro-Testosterone (DHT)またはEpidermal Growth Factor (EGF)で刺激した試料を用いて解析したところ、DHT、EGF処理いずれにおいても特異的バンドが検出された。EGFに関しては刺激後10分でわずかではあるが刺激2時間後よりも高い蛋白発現が確認された。同様にPC-3細胞に関してもEGF刺激を行ったが、こちらでは特異的バンドは検出されなかった。以上より、使用可能な1次抗体の選定ができたが、MK蛋白は少なくとも高発現はしていないことが推測された。またcell lineの種類によっても発現量に差があること、また何らかの増殖刺激で(特にLNCaP細胞に関して)その発現量が増加することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前立腺癌細胞株におけるミッドカイン発現量は当初の予想以上に低いものであり、検出条件の設定に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、まずは解析条件をさらに探りながら、種々の細胞刺激下における発現パターンを早急に検討する。その中で最も適正な試料を用いて、他の炎症関連分子との関連性を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に引き続き主として試料作製のための各種試薬、消耗品の購入に使用する予定である。
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