研究課題
申請者は、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)におけるDkk-1の機能解析を目的とて本研究を行った。テトラサイクリン発現誘導システムを用いて、Dkk-1誘導発現が可能であるLNCaP/TR2-hDkk-1-Flag細胞を樹立した。同細胞を用いてDkk-1誘導発現下での去勢抵抗能獲得をin vitroにおいて検討したところ、Dkk-1の誘導発現下では非誘導発現下と比較して同様の細胞増殖速度であることを認めた。またMMTV-luciferaseを使用したレポーターアッセイにおいて、Dkk-1誘導発現下では非発現時と比較してアンドロゲン受容体の転写活性が同程度であることが分かった。また、Dkk-1発現によって誘導されることが報告されているJNKリン酸化といった細胞内イベントも、同細胞内においてDkk-1誘導発現下と非発現時とでは同程度であった。さらにPC-3細胞にてDkk-1ノックダウンを行い、in vitroにおける細胞増殖能と細胞浸潤能を評価したところ、コントロール群と比較して同程度であることが分かった。以上の結果から、Dkk-1はCRPC細胞そのものにautocrine様式にて作用するのではなく、一度前立腺間質細胞にparacrine様式にて作用し、同細胞群からの成長因子による刺激を受け去勢抵抗性に寄与している可能性が示唆された。現在Dkk-1の前立腺間質細胞に対する作用について解析を進めている。
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Clinical Cancer Research
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