研究課題
1. MHC class I拘束性ペプチドを用いたワクチンを凌駕する新規がんワクチンの選定:MHC class Iエピトープとclass IIエピトープを含有するロングペプチドワクチンを開発し、実験を開始した。エピトープはヒトとマウスで共通のアミノ酸配列を有するサバイビンCとした。このロングペプチドワクチンは従来のMHC class I拘束性ショートペプチドワクチンと比較して免疫誘導および抗腫瘍効果に優れ、かつ重篤な有害事象は認めていない。2. ワクチンの免疫学的効果を最大限に生かすアジュバントの開発:サバイビンCロングペプチドは不完全フロイントアジュバント(IFA)のみで従来のMHC class I拘束性ペプチドを凌ぐ免疫誘導および抗腫瘍効果を示した。臨床応用を踏まえて安全性を考慮し、現時点ではアジュバント薬剤はIFAのみで研究を進めている。3. 選定したワクチンの投与間隔および投与回数の至適プロトコールの決定:サバイビンCロングペプチド+IFAをワクチンとした動物実験を繰り返し、至適投与間隔と投与回数を明らかにした。4. 基礎研究結果をもとにした臨床第I相試験の実施と安全性と免疫反応および再発予防効果の検討:ロングペプチドとMHC class I拘束性ショートペプチドを組み合わせたワクチン投与法の動物実験を行い、両者の併用療法がもっとも強力な免疫および抗腫瘍効果を誘導することを明らかにした。また既にサバイビン・ショートペプチドワクチンに関しては、再発予防目的とした臨床試験を開始し、現在までに5名に対して投与を行った。2例でエピトープ特異的な免疫誘導が認められ、1例で24ヶ月の無再発期間が得られた。特記すべき有害事象は認められなかった。
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