研究概要 |
L-arginine, PDE type5阻害薬(sildenafil, tadalafil),beta3AR作動薬(mirabegron),alpha1遮断薬(silodosin),抗コリン薬(imidafenacin, 5-HMT)について,膀胱伸展刺激受容を担うAδ線維およびC線維の神経活動に与える直接効果を検証したところ,L-arginine, sildenafil, tadalafilはいずれも,Aδ線維およびC線維の両神経活動を抑制したのに対して,mirabegronとsilodosinは,主にAδ線維の神経活動を抑制し,抗コリン薬はcapsaicin感受性C線維の神経活動を選択的に抑制することを明らかにした。TRPA1チャンネルの活性化はAδ線維とC線維の両者の活動を促進する作用があることを明らかにし、TRPA1チャンネルが過活動膀胱や過知覚膀胱の治療標的候補となりうることを示した。内因性カンナビノイドの分解酵素であるFAAHの阻害薬は、ラット膀胱の伸展受容求心性神経活動を抑制する効果があり、PGE2膀胱内注入によって活性化される膀胱伸展受容C線維を抑制しうることを明らかにし、FAAH阻害薬が過活動膀胱や過知覚膀胱の治療薬候補になりうる可能性を示した。 間質性膀胱炎患者の膀胱粘膜には、親侵害受容反応に関連する遺伝子発現が増強しており、これらの遺伝子およびその産物は治療標的やバイオマーカーの候補として期待しうることを示した。 下部尿路閉塞ラットにおいて、プリン作動性神経伝達を主体とする膀胱遠心性神経の機能低下が生じており、これを補うべく、N-type Ca(2+) channelの機能亢進を介したコリン作動性神経伝達の活性化が生じていることを明らかにした。 直腸の伸展刺激によって膀胱伸展受容求心性神経活動が活性化される機構が存在することを明らかにした。
|