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2013 年度 実績報告書

下部尿路におけるTRPV4を介した伸展刺激による尿意のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23592361
研究機関山梨大学

研究代表者

望月 勉  山梨大学, 医学工学総合研究部, 医学研究員 (50377496)

研究分担者 中込 宙史  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (80418714)
芳山 充晴  山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (20422694)
武田 正之  山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
キーワード膀胱上皮 / メカノセンサー / TRPV4 / Piezo1
研究概要

(膀胱上皮培養細胞の伸展刺激実験):膀胱上皮初代培養細胞を適宜作成し、培養細胞伸展刺激装置を用い、カルシウムイメージング上で機械伸展刺激に対する細胞内カルシウム濃度の変化を調べた。TRPV4-KO由来の膀胱上皮では野生型に比べ、伸展刺激によるカルシウム流入応答は有意に減弱しており、また、フォトンイメージング法およびバイオセンサー法を用いたATP測定実験でも、TRPV4-KO群は有意に放出量が低下した。さらに、ATP放出を抑制する各種inhibitorを用いることにより、膀胱上皮では主に開口放出経路を経て、ATP放出を行っているという新たな知見をうることができた。
(マウス個体での排尿行動実験ならびに膀胱内圧測定実験):今回、新規にマウス用排尿代謝ケージシステムを構築し、定量性かつ再現性のあるデータが得られた。TRPV4-KO群では野生形マウス群に比べ、有意に1日排尿回数は多く、1回排尿量も少なかった。一方で、一日飲水量や一日排尿量は両群で差がなく、これらのことからTRPV4-KOマウスは頻尿のphenotypeを呈することが明らかとなった。CMG実験では、TRPV4-KOマウス群では有意なnon-voiding contractionの増加を認め、排尿筋の異常収縮を呈したが、その他のパラメーターでは、両群で差は認められなかった。
以上の研究結果により、蓄尿時において膀胱上皮はTRPV4分子を介して伸展刺激を感知し、ATPなどの神経伝達物質を放出することで、尿意としての知覚ならびに排尿筋の安定に寄与しているのではないかと考えられた。
TRPV4は下部尿路において重要な役割を担うことが明らかとなり、今後、過活動膀胱など各種の蓄尿機能障害に対する創薬の開発においてkey-molecularとなるであろう。今後は新たなメカノセンサー候補であるpiezo分子についても検討を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Functional role for Piezo1 in stretch-evoked Ca 2+ influx and ATP release in urothelial cell cultures.2014

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto T, Mochizuki T, Nakagomi H, Kira S, Watanabe M, Takayama Y, Suzuki Y, Koizumi S, Takeda M, Tominaga M.
    • 雑誌名

      J Biol Chem.

      巻: 53 ページ: 1230~1238

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 膀胱上皮におけるTRPVチャネルとATP放出メカニズム2013

    • 著者名/発表者名
      中込宙史、望月 勉、武田正之
    • 雑誌名

      膀胱上皮におけるTRPVチャネルとATP放出メカニズム

      巻: vol.20 ページ: 7~14

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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