研究課題/領域番号 |
23592362
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
土田 孝之 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (30217327)
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研究分担者 |
武田 正之 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
芳山 充晴 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (20422694)
宮本 達也 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (80456459)
小林 英樹 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (50402053)
中込 宙史 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (80418714)
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キーワード | 間質性膀胱炎 / 附子 / ボツリヌストキシン / ペインコントロール |
研究概要 |
5年前から漢方のブシ末を中心にした治療を開始して、疼痛のコントロール(痛みが長く続かないという特徴がある。)が長期に得られ、また慢性骨盤痛症候群にも処方することで患者のQOLはかなり改善している。この長期成績について2012.4第100回日本泌尿器科学会総会にて発表。また2011年当大学薬理学教室より、ブシ末の神経障害性疼痛に対する薬理学的研究の成果(The astrocyte-targeted therapy by Bushi for the neuropathic pain in mice)が発表された。漢方の薬理学的効果はなかなか立証できないが、今回臨床的効果を実証する研究成果が発表された。2012.8第19回日本排尿機能学会にて、間質性膀胱炎患者への附子末と新薬であるミラベグロン併用による頻尿の改善について発表。2013.4第101回日本泌尿器科学会総会にて臨床成果発表予定。 またこの臨床結果について、長野看護大学から臨床研究課題として患者からの情報収集も行われている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床研究結果については、各主要学会にて発表し、成果としては方法と結果について注目されている。また患者の会も発足し、情報の共有についても成果が得られている。 マウス排尿代謝ケージを有しており、「control群と間質性膀胱炎(IC)マウス群におけるマウスの排尿行動の変化を測定する。新規排尿行動解析デバイスであるテレメトリ―自動計測システムを併用し、排尿回数、1回排尿量と排尿時の膀胱内圧、排尿筋過活動の有無も同時に、しかも覚醒下で測定可能である。
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今後の研究の推進方策 |
(1)我々はICにおけるkey moleculeはTRPC1/TRPC6と考えているが、ヒトICにてこれらの分子に変化が見られない場合も考えられる。炎症性疾患、神経障害性疼痛の発症、増悪には何らかのcation channelの関与が考えられており、その場合にはその他の候補分子を同定していく予定である。候補としては、その他のTRPCチャネル(TRPC2・3・4・5)や、近年新しく同定されたstretch activated channelであるPiezo1、Piezo2などが候補に挙げられる(science 2010)。特に神経障害性疼痛と伸展刺激感受性チャネルとの関与に注目されており、Piezo1、Piezo2は膀胱上皮、DRGに強発現しており、もう一つの有力な分子と考えられる。これら分子の発現をヒト膀胱上皮細胞にて正常コントロール群とIC患者群とで比較し、ICとの関与を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度まで、資料収集や学会発表等情報収集を行っているが、予想より安価で済ませている。また今年度中に附子末の効果についての論文投稿予定で準備しているので、今年度に下記の実験物品や論文投稿の費用がかさむ事が予想される。(1)すでに採取してあるヒト膀胱上皮サンプル(正常群、IC患者群)を用いて、TRPC1、TRPC6、TRPV4の発現量の比較を行う。 ①定量的RT-PCRによるmRNA発現量の比較 ②Western blottingを用いた蛋白発現量の比較③蛍光免疫化学組織染色による局在の確認(2)in vivo ICモデルマウスの作成:マウスにcyclophosphamidを腹腔内投与した薬剤性ICモデルを作成し、ICモデルマウスから採取した膀胱上皮を用いてTRPC1、TRPC6、TRPV4の発現の比較を行う。 (3)マウス排尿代謝ケージを用いてcontrol群とICマウス群におけるマウスの排尿行動の変化を測定する。新規排尿行動解析デバイスであるテレメトリ―自動計測システムを併用し、排尿回数、1回排尿量と排尿時の膀胱内圧、排尿筋過活動の有無も同時に、しかも覚醒下で測定可能である。
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