研究課題/領域番号 |
23592363
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
石塚 修 信州大学, 医学部, 准教授 (20184541)
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研究分担者 |
今村 哲也 信州大学, 医学部, 助教 (00467143)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / 生体機能利用 / 脳神経疾患 |
研究概要 |
平成23年度は、マウスよりも大型のラビットを使用して、同一個体での移植を試みた。ラビットの大腿骨骨髄より注射針で骨髄由来幹細胞を採取し15% fetal bovine血清および抗生剤附加のDulberco Modified Eagle Mediumの中に入れる。細胞を遠心分離した後に、TypeIcollagenでコートした培養皿で7日間培養し増殖することが可能であった。細胞のマーカーとして、GFP(Green fluorescence protein)発現遺伝子よりも蛍光発現性の長いQtracker labeling kitsを使用して、マーキングした。本年度は、膀胱頚部の再生に注目し、膀胱頚部を粘膜面より-80℃のアイスバーで障害与え、その障害部位へ、30G注射針を使用して培養した細胞1x105個/50μlを移植した。移植後3日目、14日目に膀胱を取り出し、Monoclonal anti-GFP 抗体、平滑筋特異抗体を使用して免疫二重染色を行い、レーザー蛍光顕微鏡で移植した細胞の分化、つまり、筋層をはじめとする膀胱頚部の再生を確認した。14日目の膀胱においては、Acta2 primerを使用してalpha smooth muscle actinを、Myh11 primerを使用してsmooth muscle myosin heavy chainを、Real time RT-PCR法にて定量測定し骨髄幹細胞の膀胱平滑筋への分化についての評価を定量的に行うことも可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画のうち、標準化した膀胱障害モデルの確立、つまり、膀胱頚部を粘膜面より-80℃のアイスバーで障害与えたモデルを作成した。また、その障害部位へ、30G注射針を使用して培養した細胞1x105個/50μlを移植し、移植後3日目、14日目に膀胱を取り出し、Monoclonal anti-GFP 抗体、平滑筋特異抗体を使用して免疫二重染色を行い、レーザー蛍光顕微鏡で移植した細胞の分化、つまり、筋層をはじめとする膀胱頚部の再生を確認したこと。また、14日目の膀胱においては、Acta2 primerを使用してalpha smooth muscle actinを、Myh11 primerを使用してsmooth muscle myosin heavy chainを、Real time RT-PCR法にて定量測定し骨髄幹細胞の膀胱平滑筋への分化についての評価を定量的に行うことも可能であったため、概ね順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは、凍結障害をおこした膀胱に対して、再生治療を骨髄幹細胞で行うことを試みていたが、今後は、より臨床での現場に近い障害を想定したモデルで、研究を進める予定である。現段階では、放射線による障害を受けた膀胱に対する再生治療の可能性を検討している。放射線による障害は子宮頸癌、前立腺癌、直腸癌などの治療でおきるため、より臨床応用の可能性が高くなると思われる。
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次年度の研究費の使用計画 |
放射線を特異的に膀胱にのみ照射する器具、つまり、膀胱部のみ穴のあいた放射線防護装具の開発工夫が必要となり、その材料費などが必要となる。また、実験動物、およびその飼育費用、麻酔薬などの使用薬剤および器材、免疫蛍光染色用抗体、mRNA測定のためのprimer、膀胱内圧検査のための膀胱用カテーテルを留置するためのカテーテル類、手術器具、また、研究成果の発表のための費用などを中心として使用する予定である。
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