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2011 年度 実施状況報告書

先天性過活動膀胱モデル動物としてのTNFαノックアウトマウスの解析

研究課題

研究課題/領域番号 23592366
研究機関京都大学

研究代表者

今村 正明  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20594237)

研究分担者 小川 修  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90260611)
吉村 耕治  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40397542)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードTNFα / 排尿行動解析装置 / シクロホスファミド / 過活動膀胱
研究概要

研究開始時の予備実験において、TNFαノックアウトマウスの排尿行動を解析した結果、TNFαノックアウトマウスの1回排尿量が有意に少ないという結果であった。研究開始以降、この前提条件を厳密に確認するために、当初の排尿行動測定系(VSOP法)と比して、より微少量である1μlまで精密に経時的に計測可能な実験系(aVSOP法)を用いて再評価した。その結果、野生型マウスと、TNFαノックアウトマウスの排尿行動において、1回排尿量や排尿回数といった要素において有意差を認めなかった。 この原因として、TNFαは外的刺激のない通常飼育条件下では膀胱における発現レベルが非常に低く、その状況では遺伝子ノックアウトの影響を受けにくいことが考えられた。そのため、TNFαの発現を誘導するような炎症を伴う頻尿のモデルとして、シクロホスファミド(CYP)誘発性膀胱炎モデルを選択し、その排尿行動を測定することとした。まず、野生型マウスにシクロホスファミドを投与して生じる膀胱炎モデルでTNFαの発現がmRNAレベルで上昇することを確認した。このモデルの排尿行動を測定したところ、シクロホスファミド投与後5.5時間の観察で投与前と比して1回排尿量の減少、排尿回数の増加傾向といった過活動膀胱モデルになり得る症状を認めた。 そこで、TNFα ノックアウトマウスと、その同腹仔である野生型マウスを用いて、シクロホスファミド誘発性膀胱炎モデルを作成し、それらの排尿行動を薬剤投与後13日の長期間にわたり計測し、検体数を蓄積中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の想定していた仮説が成立しなかったが、実験を行う中でマウスの微少排尿量を測定可能な排尿行動測定系の手技を確立し、実験の経過で生じた着想を元にマウスにシクロホスファミドを投与して生じる膀胱炎モデルを頻尿モデルとして確立することに成功した。この2者を組み合わせることで、TNFαをはじめ頻尿に関わる新たな遺伝子の探索が可能になり、現在実験が進行中である。当初の膀胱発達というテーマからは離れることにはなったが、今もなお未解明である頻尿の機序解明に向けて、研究は前進していると考える。

今後の研究の推進方策

上述の実験の結果において、TNFαノックアウトマウスと野生型マウスにおいて、排尿行動に有意な差が生じるようであれば、TNFαが膀胱の炎症に伴う頻尿の原因の一つであると仮説が成立する。その場合は、in vivoにおいて野生型マウスに対するTNFαの阻害剤投与実験やin vitroの実験系にてTNFαの機能解析を行う予定である。また、この実験結果において、上記のマウスの排尿行動に有意な差が生じない場合は、TNFαが頻尿の直接の原因になっていないと考えることができる。その場合には、これまでの実験で得られた精密な排尿行動測定系と、頻尿モデルであるシクロホスファミド誘発性膀胱炎モデルを組み合わせることで、過活動膀胱に影響する遺伝子の新規候補を、マイクロアレイなどを用いて検索していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

排尿行動解析:装置の使用に伴う消耗品(濾紙、薬剤)を必要とする予定である。In vivoの実験系:マウスの購入・管理費を必要とする予定である。In vitroの実験系:遺伝子の検索:PCRを含め、マイクロアレイなどを実施予定。またそれらに伴う、消耗品・試薬類も必要になる見込みである。学会発表:予定しておりそれに伴う旅費も必要になる見込みである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マウスの微少排尿量測定に対応した新規排尿行動記録装置2011

    • 著者名/発表者名
      沖波武、根来宏光、杉野善雄、兼松明弘、西川信之、今村正明、吉村耕治、小川修
    • 学会等名
      第4回排尿障害モデル動物研究会
    • 発表場所
      グランディエールブケトーカイ(静岡市)
    • 年月日
      2011 – 1125

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公開日: 2013-07-10  

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