研究課題/領域番号 |
23592367
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高尾 徹也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30379177)
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研究分担者 |
宮川 康 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70362704)
辻村 晃 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40294053)
野々村 祝夫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30263263)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ストレス / ラット / 過活動膀胱 / 性機能障害 |
研究概要 |
Water Avoidance Stress (WAS)ラットは過敏性腸症候群等の内臓知覚過敏モデルとして報告がみられ、腸粘膜と同様に膀胱粘膜の障害が報告されている。WASラット群と対照群で代謝ケージや膀胱内圧測定などを用いて膀胱機能の変化を検討した。また摘出した膀胱からRNAを抽出しDNAマイクロアレイを用いてWASラット群と対照群で遺伝子発現の差を探索した。SDオスラットを10匹ずつ2群に分けた。冷水を張った水槽内の狭い足場にラットを1日につき2時間以上放置するWASストレスを2週間継続したWAS群と対照群で代謝ケージを用いて1回排尿量・排尿間隔を測定した。膀胱内圧測定は、イソフルレン気化吸入麻酔にて、下腹部正中切開創よりPE-50カテーテル(外径0.97mm)を膀胱内に挿入し、閉腹後、ラットをボールマンケージに格納し、カテーテルを通して膀胱内に生食を注入しながら膀胱機能を測定した。膀胱内圧、排尿間隔、1回排尿量、残尿量を測定した。代謝ケージでは、WASラット群では対照群に比べて、1回排尿量が少なく頻尿であった。膀胱内圧測定でも1回排尿量の減少を認め頻尿であった。残尿量には差を認めなかった。収縮圧、基礎圧などに差を認めなかった。膀胱機能測定終了後にペントバルビタールにて安楽死させ(150mg/kg以上を腹腔内から投与)、膀胱を摘出した。病理学的検討では、HE染色を施行したが、著明な差を認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通りに達成されている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りに研究を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
遺伝子発現が優位に上昇あるいは減少している遺伝子群をターゲットにして具体的には、real-time RT-PCRで発現量の差の再確認し、タンパクレベルでの発現量の差をWestern blotting、免疫染色などを用いてさらに詳細な解析を進める。ある遺伝子群がRNAレベル、タンパクレベルでも発現に差があるとすれば、その遺伝子群を抑制するような薬剤(例えば、炎症系サイトカインの上昇がみられるのであれば抗炎症剤など)を用いて、再度膀胱機能評価を行う。薬剤をWASストレス負荷の前に投与することで予防効果があるのか、WASと同時あるいはストレス負荷後に投与することにより治療効果があるのかということを解析する。またその時の病理組織変化を解析する。
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