研究課題/領域番号 |
23592367
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高尾 徹也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30379177)
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研究分担者 |
宮川 康 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70362704)
辻村 晃 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40294053)
野々村 祝夫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30263263)
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キーワード | ストレス / 頻尿 |
研究概要 |
継続的なストレス負荷は、尿路系や男性生殖器系の臓器にも影響を与えると考えられる。尿意切迫感、頻尿、尿失禁などの下部尿路症状(特に過活動膀胱)、膀胱痛を訴える間質性膀胱炎、さらには性機能障害にも関与している可能性がある。今回、我々はラットの慢性ストレスモデルを作成して頻尿、膀胱痛など下部尿路症状の発現メカニズム、性機能障害発現のメカニズムの解明を行うことを目的とした。 Water Avoidance Stress (WAS)ラットは過敏性腸症候群等の内臓知覚過敏モデルとして種々の報告がみられ、腸粘膜と同様に膀胱粘膜の障害が報告されている。代謝ケージや膀胱内測定の結果、WASモデルラットが頻尿を呈すことを報告した。その機序の解明のために、摘出した膀胱からRNAを抽出しDNAマイクロアレイを用いてWASラット群と対照群で遺伝子発現の差を探索した。WASラット群で発現が亢進していた代表的な遺伝子は、S100A8、S100A9、MMP7、IL-6、IL-1β、FOS、COX-2などであった。炎症に関与する遺伝子群が多いため、慢性のストレス環境下での頻尿に炎症が関与しているのではないかと考え、COX-2に着目した。免疫染色とWestern blottingの検討で、膀胱平滑筋細胞でのCOX-2発現は、WASラット群ではタンパク質レベルで上昇していた。膀胱内圧測定でのCOX2阻害薬を用いた検討では、WASラット群に対しCOX2阻害薬投与群では、頻尿は改善した。免疫染色とWestern blottingの検討で、膀胱平滑筋細胞でのCOX-2発現は、タンパク質レベルで減少していた。慢性stress環境下における頻尿の発症に、炎症が関与している可能性が示唆された。
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