研究課題/領域番号 |
23592384
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
石田 英樹 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60246543)
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研究分担者 |
田邉 一成 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80188359)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | キメラ |
研究概要 |
近年、急性期の免疫抑制療法が確立されているABO不適合移植において、さらなる移植成績の向上を目指すには慢性期の管理が重要である。血液型抗体や抗HLA抗体により引き起こされる抗体関連拒絶は治療後も慢性抗体関連拒絶に移行することがある。移植片の抗原性を確認することは困難であるが、血液型の異なるABO不適合移植においては抗血液型抗体を用いた染色でその移植片の抗原性を経時的に観察できる可能性がある。当施設で長期間フォローされている不適合移植症例において、その腎組織の抗血液型抗体による染色と臨床像の関係を検討することが本研究の目的である。(平成23年度)研究施設および設備は東京女子医科大学腎センターに腎病理室およびIF室での設備を用いて行う。組織は当院泌尿器科で行われた腎移植症例において移植腎から得られた病理組織標本を使用する。具体的には0時間生検、各定期生検(退院前、3ヶ月、6ヶ月、1年、以後1年ごと)、さらに腎機能異常や蛋白尿の出現などの際に行われるエピソードで行われる生検である。今回の検討で対象となる患者はドナーとレシピエントの血液型が異なり、かつ血液型抗原による抗原抗体反応が予測されるいわゆるABO血液型不適合移植である。一部の論文でB型の染色性の不安定性が謳われており、まずは染色の容易性と解釈の混乱を防ぐためにA型からO型を用いた染色を行う予定である。A型ドナーからO型レシピエントへのABO不適合移植は当科で1990年以降およそ70例行われており、そのうち少なくとも5年以上の長期経過症例はおよそ40例のうち生検による評価が行われているものを選択する。平成23年度研究成果について-概ね目的を達成した。業績欄にも(後述)あるように、血液型不適合移植後にレシピエント内にある不適合の臓器に表現する血液型抗原は時間の経過とともに徐々に減少することが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由)初年度における血液型抗原の発現が移植後の時間の経緯とともに減少することを証明でき、論文にできたから。
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今後の研究の推進方策 |
(今後の推進方策)来年度24年度は最終目標である<血管内皮細胞上に発現する血液型抗原のキメリズム>を証明する
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次年度の研究費の使用計画 |
(次年度の研究費の使用計画)初年度と同様に血液型不適合移植後の患者検体を使用する。その一方で現在実験を進めているラットの腎臓移植のモデルを使って抗体関連型拒絶反応を起こした血管の抗原発現状態を分析する。これは血管キメリズムの構築を証明するのに必要な実験である
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