移植臓器におけるカイメリズムはレシピエント由来の細胞がドナー臓器の血管壁等に混入する現象として定義される。この研究では①移植臓器におけるカイメリズム現象の割合、②カイメリズム現象を起こす移植臓器の生着状態、を調べることである。血液型不適合移植腎臓の病理標本を免疫染色した。血液型抗原を染色することによって調べた。全症例49例中12例に血管カイメリズムを認めた。12例中7例は激しい抗体関連型拒絶を起こしたものであった。カイメリズムを起こした移植臓器はおこしていない臓器に比較して移植腎機能が悪かった。以上より、移植臓器に認められるカイメリズムは激しい免疫反応の結果であることを示唆した。
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