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2011 年度 実施状況報告書

mTORシグナル伝達経路を標的とした、新たな子宮筋腫治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592393
研究機関千葉大学

研究代表者

石川 博士  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70553973)

研究分担者 生水 真紀夫  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30226302)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード子宮筋腫 / mTOR / メトホルミン / 移植モデル / 免疫不全マウス
研究概要

子宮筋腫におけるmTORシグナル経路の異常を解明するために、まず、ウエスタンブロットを用いて子宮筋腫組織におけるmTOR経路上のリン酸化タンパクである、AMPK,Aktの発現を正常子宮筋と比較した。その結果、手術検体から得られた筋腫組織と、ペアの正常子宮筋組織におけるAMPK、Aktの発現量はリン酸化型、非リン酸化型ともに一定の傾向は見られなかった。 次に、免疫不全マウスを用いた子宮筋腫xenograftモデルの至適条件を検討した。3種類の免疫不全マウス(ヌードマウス・SCIDマウス・NOD/SCIDマウス)の腎被膜下に子宮筋腫細胞をxenograftとして移植し、エストロゲン・プロゲステロンを毎週注射し、8週間後にxenograftを回収し、体積、組織像、エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体の発現を宿主間で比較・検討した。さらにNOD/SCIDマウス・NOGマウスの腎被膜下と皮下に筋腫細胞をxenograftとして同時に移植し、移植部位によるxenograftの増大度を比較・検討した。 その結果、腎被膜下移植では、ヌードマウスおよびSCIDマウスよりも、NOD/SCIDマウスでxenograftが高頻度にエストロゲン・プロゲステロンに反応して増大した。また、NOD/SCIDマウスでは皮下に移植したxenograftもエストロゲン・プロゲステロンに反応して増大し、xenograftの表面には血管新生が起こっていた。このとき、腎被膜下・皮下xenograftともに、エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体の発現が元の筋腫組織と同様に保たれていた。以上より、子宮筋腫の免疫不全マウスxenograftモデルとして、NOD/SCIDマウスの皮下に筋腫細胞を移植する方法が有用であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予備実験では筋腫組織では正常子宮筋組織に比べてmTOR経路上のリン酸化タンパクの発現が亢進していたが、今年度、多数例で検討した結果、これらのタンパクの発現に一定の傾向が見られなかった。したがって、現在筋腫培養細胞でその発現を確認中である。

今後の研究の推進方策

筋腫培養細胞でのmTOR経路上のリン酸化タンパクの発現を培養子宮筋細胞と比較する。この時、通常培養条件下と低酸素培養条件下でのこれらタンパクの発現を比較・検討する。また、免疫不全マウスxenograft移植モデルはさらに至適条件を検討し、皮下移植法での高い頻度で増大するモデルを確立する。

次年度の研究費の使用計画

低酸素培養下での筋腫細胞・子宮筋細胞の遺伝子発現プロファイル、mTOR経路上のタンパク発現の定量に必要な分子生物学的実験に用いる。また、免疫不全マウスxenograftモデルの至適条件の検討に関する動物実験に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 子宮筋腫のマウス腎被膜下移植モデルへの遺伝子導入実験 -子宮筋腫の分子標的治療を目指して-

    • 著者名/発表者名
      石川博士、王桂文、曽根国瑞、藤田真紀、 大見健二、生水真紀夫
    • 学会等名
      第63回日本産科婦人科学会学術講演会
    • 発表場所
      大阪市
    • 年月日
      平成23年8月29日

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公開日: 2013-07-10  

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