• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

子宮内膜症の発症・進展におけるアレルギー性炎症の意義

研究課題

研究課題/領域番号 23592395
研究機関東京大学

研究代表者

大須賀 穣  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80260496)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード子宮内膜症 / 免疫 / 炎症 / アレルギー
研究概要

【目的】子宮内膜症(EM)はTh2型の免疫応答が重要であり、疫学的にアレルギーと関連することが報告されている。近年、thymic stromal lymphopoietin(TSLP)がTh2型免疫応答を介したアレルギー炎症の基幹分子として同定された。本研究ではEMの病態におけるTSLPの意義について検討した。【方法】文書同意の下、以下の実験を実施した。EM婦人ならびに非EM婦人の血清、正所性子宮内膜、EM組織を採取した。EM組織からは間質細胞(ESC)を分離培養した。TSLPの血清中・上清中濃度はELISAで測定し、組織中・細胞中mRNAはRT-PCRで測定した。また、組織でのTSLP発現を免疫染色で検討した。ESCの培養実験では、IL-1β、IFNγ、IL-4、をそれぞれ、炎症、Th1応答、Th2応答、を担う代表的サイトカインとして添加した。さらに、細胞内シグナル伝達経路を調べる目的でp38 MAPK、p42/44 MAPK、 SAPK/JNKの各々に対する阻害剤を同時添加した。【成績】血清中TSLPは非EM婦人に対してIII/IV期のEM婦人で上昇していた。正所性子宮内膜でのTSLPmRNA発現は非EM婦人に対し、EM婦人で増加していた。EM組織でのTSLP発現は免疫染色で確認された。IL-1βはESCでのTSLPmRNA発現、分泌をともに増加させた。IL-1βによるESCからのTSLP分泌増加はIFNγ同時投与により抑制されたが、IL-4同時投与により促進された。阻害剤は3種ともIL-1βによるTSLP分泌を抑制した。【結論】EMにおけるアレルギーの側面として、TSLP発現がEMの病態に関与していることが示された。EM組織での炎症が複数のMAPKを介してESCからのTSLP産生を促進し、この反応をTh1応答は抑制的に、Th2応答は促進的に制御することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

子宮内膜症におけるTSLPについて、ほぼ予定通りデータが得られた。

今後の研究の推進方策

子宮内膜症におけるアレルギー炎症に関わる他の因子について検討をすすめる。子宮内膜症におけるTSLPのデータをまとめ論文として公表する。

次年度の研究費の使用計画

研究計画に沿って、動物実験、培養実験などに使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Interleukin-17F increases the secretion of interleukin-8 and the expression of cyclooxygenase 2 in endometriosis2011

    • 著者名/発表者名
      Hirata T, Osuga Y, Takamura M, Saito A, Hasegawa A, Koga K, Yoshino O, Hirota Y, Harada M, Taketani Y.
    • 雑誌名

      Fertil Steril

      巻: 96 ページ: 113-117

    • DOI

      PMID: 21601196

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi