研究課題/領域番号 |
23592398
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
平田 修司 山梨大学, 総合研究部, 教授 (00228785)
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研究分担者 |
深澤 宏子 山梨大学, 総合研究部, 助教 (60362068)
正田 朋子 山梨大学, 総合研究部, 助教 (50345716)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 体細胞核移植 / ドナー体細胞 / 卵細胞質 / ミトコンドリア動態 / 初期発生 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、体細胞核移植技術の臨床応用の実現へ向けての系統的・基礎的研究を行うものであった。本研究は、当初3か年の研究期間で、体細胞クローン胚由来の ES 細胞を効率的に樹立する方法を開発することを企図した研究であった。しかしながら、昨年度の報告書にて報告したとおり、マウスをモデル動物としたクローン胚の研究は、予想よりも高いレベルの技術が必要とされ、当初の予定の研究の安定的な(再現性のある)実施が困難であった。 そこで、本研究課題の研究機関を1年延長することを許可していただき、最終年度である昨年度は、マウスのクローン胚の初期発生に影響する因子を解析した。その結果、クローン胚においては、除核卵細胞質の機能が初期発生に決定的に影響を及ぼすことが明らかになった。そこで、さらに、この除核卵細胞質の機能の低下に関与する因子の解析を進めた。その結果、卵細胞質におけるミトコンドリアの動態が、作出したクローン胚の初期発生の状態に深く関連していることを初めて明らかにした。 現段階においては、卵細胞質におけるミトコンドリアの動態を調節・修飾する因子を同定し得ていないが、こうした因子を同定することにより、マウスのクローン胚の発生を画期的に改善できることが明らかになった。この成績は、本来、本研究で成し遂げようとした「未熟卵子の体外成熟によって得られた卵細胞を除核して、凍結保存し、要時に融解して、クローン胚を作成する」という諸過程において、1)体外成熟卵子の細胞質機能の改善、ならびに、2)凍結―融解した卵細胞質機能の改善、の2つにつながるものであると考えられた。
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