研究課題
早発卵巣不全患者における原始卵胞活性化を目的としてアクチビンの影響を検討している。日齢3日目のICRマウスより卵巣を摘出し、DMEM/F12を用い卵巣培養を行った。ヒトアクチビンA 0、1.0、10.0、100.0 nMとなるように添加し、5日間培養を行った後に原始卵胞数に対する1次卵胞および2次卵胞数比を比較したが、アクチビン添加変化を認めなかった。また、原始卵胞の顆粒膜細胞におけるKi67、PSmad2/3の陽性率を算出したが、いずれも変化を認めなかった。フォリスタチン改変マウスにおいては、これらのパラメータは変化を認めたが、in vitroにおいてアクチビンを添加しても原始卵胞の活性化を認めることはないことが分かった。偶然にも日齢3日目のICRマウスの卵巣に同様にプロゲスチンを投与したところ、原始卵胞のPSmad2/3陽性顆粒膜細胞が減少することが分かった。よって、プロゲスチン投与が、卵巣内でアクチビン量を修飾し、細胞内シグナルであるsmad2/3にリン酸化を及ぼしたと考えられる。現在、プロゲスチンによるアクチビンシグナリングの検討を中心に研究を行っている。合成プロゲスチンには、プロゲステロン受容体のみ結合するものは少なく、アンドロゲン受容体やグルココルチコイド受容体に結合するものが存在する。現在われわれが注目しているのはジエノゲストであり、アンドロゲン受容体を競合拮抗的に阻害する。これを中心に研究を行っている。
4: 遅れている
アクチビン投与によりマウス卵巣内の原始卵胞が活性化しなかったので、その代替法を見つける必要があった。
日齢3日目のICRマウスの卵巣にin vitroでプロゲスチンを投与したところ、原始卵胞のPSmad2/3陽性顆粒膜細胞が減少することが分かった。よって、プロゲスチン投与が、卵巣内でアクチビン量を修飾し、細胞内シグナルであるsmad2/3のリン酸化に影響を及ぼしたと考えられる。現在、プロゲスチン各種、また、抗プロゲスチン製剤を用い、アクチビンシグナリング系への影響を調べている。
上記のごとくプロゲスチンの原始卵胞の活性化に与える影響および、アクチビンシグナリングへの影響について調べる予定である。プロゲスチンの原始卵胞に及ぼす影響が明らかとなれば、今後早発卵巣不全の予防、治療方法開発につながると考えられる。
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