研究課題
TIMP-3遺伝子導入マウスは、妊娠後半期の尾動脈収縮期血圧の上昇を認め、着床期子宮内膜側のTIMP遺伝子のmanipulationが妊娠高血圧症を惹起する可能性を示唆する結果となった。しかし、TIMP-3遺伝子導入妊娠マウスの胎盤所見からは、妊娠高血圧症に特徴的な子宮脱落膜への浅い浸潤(shallow placentation)を確認することはできなかった。さらに、TIMP-3遺伝子導入妊娠マウスは、コントロールマウスと比較し、尿中タンパク濃度の有意な上昇を認めず、腎臓の病理学的変化を確認することはできなかった。従って、TIMP-3の子宮局所への遺伝子導入のみでは、妊娠高血圧症候群に伴う全ての表現型を再現することはできないとの結論に至った。我々はヒト妊娠高血圧症候群の病態解明のため、子宮局所へのTIMP-3一過性遺伝子導入法を用いて、TIMP-3の子宮局所における機能とそのシグナルトランスダクションの解明を試みてきた。すなわち、(1)TIMP-3の発現が認められない時期に、TIMP-3を子宮局所で強制発現させる事により妊娠高血圧症候群モデルマウスを作製する。(2)正常妊娠経過におけるTIMP-3の発現誘導の機序についてDNAマイクロアレイ解析を行う。(3)これまで妊娠高血圧症候群に関係するいくつかのTIMPsのサブタイプが報告されており、どのサブタイプが重要な役割を果たしているかを同定する。 (4)絨毛細胞と子宮内膜との接触(着床現象)におけるTIMP-2の役割の解析を行う。現在のところ、(1)と(4)については、現在データ解析を進めているところである。しかし、(2)、(3)の研究については、明確な結論を引き出すには至らず、今後の研究に委ねなければならない。
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