研究課題
周産期脳障害は未だ大きな問題点として残されている。今までに、われわれの研究グループは、周産期脳障害に対して有効な治療法を模索し、低体温療法をわれわれが過去に報告した。しかし、これは脳障害の進行を抑えるための治療法であって、一旦完成してしまった脳障害に対しては無力であった。そこで、われわれは新しい治療法として、神経再生による脳障害治療法を模索した。その神経再生の中核をなす神経幹細胞の源として胎児付属物(胎盤、臍帯、羊膜)における間葉系幹細胞の利用を試みた。昨年度は、周産期脳障害に対して耐性をつけるべく前治療(preconditioning)についてカフェインを用いて研究をし、新生仔低酸素性虚血性ラットモデルを用いて、日齢4~6日にカフェイン25mg/kg、50mg/kg、PBS(コントロール)を事前投与し、カフェイン事前投与群において脳障害を56%軽減できことに関して、メカニズムについて解析した。すなわち、カフェイン事前投与群は、コントロールに比較して、低酸素により誘導されるHIFの動態について、ウェスタンブロッティング法にて解析した。カフェイン事前投与群は、コントロールに比較してHIFの低下を認めた。これは、低酸素よりもむしろカフェインの影響によるものと思われた。また、NF-κBの動態についても、ウェスタンブロッティング法にて検討を行った。カフェイン事前投与群は、コントロールに比較してNF-κBの上昇認めた。また、阻害薬であるIMD-0354の投与により脳保護効果が消失した。つまり、この脳保護効果は、NF-κBによりもたらされていることが証明された。
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