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2013 年度 実績報告書

マウス胎盤形成に関わる核マトリックス関連蛋白Satbの解析

研究課題

研究課題/領域番号 23592405
研究機関九州大学

研究代表者

浅野間 和夫  九州大学, 大学病院, 助教 (30380413)

研究分担者 福嶋 恒太郎  九州大学, 大学病院, 講師 (40304779)
キーワード転写調節 / 栄養膜幹細胞 / 分化
研究概要

研究最終年度はSatb1/2の標的遺伝子の解明と機能解析を中心に行った。これまでの研究で我々はラット、マウスの栄養膜細胞株を用いた解析を行い、Satbが栄養膜細胞の分化を司る中心的な分子のひとつであるEomesの転写調節に関わることを証明した(Asanoma et al., 2012)。その後の個々の解析により、Satbがその他にもId2、Gata3の転写調節領域に直接結合し、転写調節に関わる未発表データを得ている。さらにSatbが制御する遺伝子群をゲノムワイドに単離することを目標として解析を試みた。我々は当初、栄養膜幹細胞モデルとして従来汎用されていたRcho-1細胞を主に用いていたがRcho-1細胞は絨毛癌由来であることから、分化機構がより明らかなマウス栄養膜幹細胞(mTSC)を用いることとした。Hemagglutinin(HA)でタグしたSatb1/2をアデノウィルスにてmTSCに遺伝子導入し、核抽出物から抗HA抗体を用いてSatb-DNA複合体の免疫沈降を試みた。米国カンザス大学医療センターMichael Soares研究室との共同研究で同解析を試みたが、mTSCを用いたクロマチン免疫沈降の段階で十分な精度の検体が得られず、この方向での解析は頓挫した。
次に当初の目標には表していなかったが子宮体癌におけるSatbの発現機能解析を開始した。正常子宮内膜と比して癌組織においてはSatb1/2のいずれの発現も上昇していた。子宮体癌細胞株についても、大部分の細胞株においてSatb1/2の豊富な発現を認めた。まず、Satb1/2の発現をIshikawa、HEC1Aの細胞株においてノックダウンしたところいずれにおいても細胞増殖の低下を認めた。今後、転移、浸潤能を中心に機能解析を進めていく予定である。
一方で我々は転写因子NF1Cが一塩基多型依存的にダイオキシン受容体の転写を制御し、子宮体癌の浸潤能を制御することを見出した(Li et al., 2013)。当研究代表者が中心的な働きを担い、corresponding authorを務めた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Inhibition of AHR transcription by NF1C is affected by a single-nucleotide polymorphism, and is involved in suppression of human uterine endometrial cancer.2013

    • 著者名/発表者名
      Li D, Takao T, Tsunematsu R, Morokuma S, Fukushima K, Kobayashi H, Saito T, Furue M, Wake N, Asanoma K
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: 32 ページ: 4950-4959

    • DOI

      10.1038/onc.2012.509.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Establishment of a new diagnostic method for hydropic villi by using TSSC3 antibody.2013

    • 著者名/発表者名
      Wake N, Takao T, Asanoma K, Kato H
    • 雑誌名

      J Obstet Gynaecol Res

      巻: 39 ページ: 1230-1235

    • DOI

      10.1111/jog.12100.

    • 査読あり
  • [学会発表] 転写因子NF1Cは一塩基多型依存的にダイオキシン受容体の転写を抑制し、子宮内膜癌の増殖・浸潤を制御する

    • 著者名/発表者名
      淺野間 和夫, 恒松 良祐, 諸隈 誠一, 福嶋 恒太郎, 小林 裕明, 齋藤 俊章, 加藤 聖子, 和氣 徳夫
    • 学会等名
      第65回日本産婦人科学会学術講演会
    • 発表場所
      札幌市
  • [学会発表] ダイオキシン受容体は一塩基多型依存的に転写制御され、子宮体癌の増殖・浸潤に関わる

    • 著者名/発表者名
      淺野間 和夫, 髙尾 知佳, 恒松 良祐, 諸隈 誠一, 福嶋恒太郎, 小林 裕明, 齋藤俊章, 加藤 聖子, 和氣徳夫
    • 学会等名
      第12回に本婦人科がん分子標的研究会学術集会
    • 発表場所
      奈良市
  • [学会発表] ダイオキシン受容体は一塩基多型依存的に転写制御され、子宮体癌の増殖・浸潤に関わる

    • 著者名/発表者名
      淺野間 和夫, 髙尾 知佳, 恒松 良祐, 諸隈 誠一, 福嶋恒太郎, 小林 裕明, 齋藤俊章, 加藤 聖子, 和氣徳夫
    • 学会等名
      第54回日本婦人科腫瘍学会学術講演会
    • 発表場所
      東京

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公開日: 2015-05-28  

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