研究概要 |
胎児発育不全(FGR)と関連する胎盤特異的microRNAの同定:10個のplacenta-specific miRNAsが同定され、それらは全て19q13.42領域にクラスターを形成して存在していた(chromosome 19 miRNA cluster:C19MC)。そのうち、7個 (has-miR-518b, -1323, -516b, -515-5p, -520h, -519d , -526b) がFGR placenta-specific microRNAとして同定された(Mann-Whitney-U test, P 値<0.05)。そして、正常胎盤組織と比較してFGRの胎盤組織において最も有意に発現量が低下していた4個のFGR placenta-specific microRNA (has-miR-518b,-1323, -520h and -519d) について、分娩前後の母体血漿中への流入量を検討し、いずれもFGR pregnancy-associated, placenta-specific miRNAsであることが確認された(Wilcoxon signed-rank tests, P 値=0.005)。しかし、母体血漿中に流入しているFGR pregnancy-associated, placenta-specific miRNAs量については、FGR群と正常妊娠群に有意差は認められなかった(Mann-Whitney’s U test, P値>0.05)。C19MC領域のFGR placenta-specific microRNAの発現低下が、FGRの病態形成に関連していることが示唆された(Prenatal Diagnosis 2013)。一方、妊娠中期―末期の胎盤特異的microRNA流入量とFGRに伴う胎児・胎盤機能不全との関連は認められなかった。
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