研究課題
本研究は、(1) 子宮内膜症と免疫異常、(2) 子宮内膜症とapoptosisの異常、(3) 子宮内膜症と瘢痕形成、(4) 子宮内膜症とジェネティクス、エピジェネティクス、プロテオミクスの4つの観点から、これらに関わる遺伝子発現異常の網羅的解析を行い、子宮内膜症の病態の解明し、新しい視点に基づく薬物療法の開発に寄与することを目的としている。cDNAマイクロアレイ、microRNAマイクロアレイによる遺伝子発現異常の網羅的解析から、VPAの刺激により増減する遺伝子や子宮内膜症で増減しているmicro RNAが検出され、それぞれについてその関与を検討している。ヒストンのアセチル化とともにDNAの脱メチル化が起こることによってp21Waf1/Cip1の転写活性が高まり、子宮内膜症間質細胞の細胞増殖抑制、細胞周期停止、apoptosis誘導を引き起こしたことなど、その機能解析が進んでいる。検出された遺伝子やmicroRNAがどのように子宮内膜症における病態とかかわっているかの検討を行っている。また、マイクロアレイのデータを基に、子宮内膜症においてこれまでに知られていない未知の異常を同定することを目標とした研究を進めている。Death receptor 6やmiR-210に着目し、病態への関与を検討している。さらに、得られた知見に基づく薬物療法の標的となる候補因子を同定し、その因子に対して選択的な薬剤による新しい薬物療法の開発を行うこと目指す。今後、本研究によって得られた知見を学会発表や論文として公表する予定である。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
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