研究課題
本研究では、着床期に子宮内腔に存在する液性因子に注目して、子宮の着床能評価および着床不全メカニズムの解明を試みた。CD9-/-TGと野生型雄マウスを交配させると1回目の分娩は問題なかったが、それ以降の分娩では顕著な産仔数の減少が認められた。そこで、野生型とCD9-/-TGマウスの分娩後子宮内膜について組織学的に比較検討した。分娩後子宮内膜を、Cd9-/-TGとCd9+/+雄マウスにおいて観察した。分娩後子宮内膜は野生型マウスでは子宮内膜上皮で覆われていたが、ノックアウトマウスでは子宮内膜は上皮で覆われておらず子宮内腔は癒着しており、子宮内膜上皮の修復にCD9が重要であると考えられた。さらにマウス子宮内腔液をmultiplex suspension arrayで網羅的に液性因子を測定し、ノックアウトマウスにおいて著明な低下を認めたVEGFに注目した。野生型マウスの子宮内腔液を抗CD9抗体で免疫沈降したところVEGFが高濃度に含まれ、CD9とVEGFに相互作用が示唆され、CD9がVEGFの分泌に寄与している可能性が考えられた。そこで、CD9-/-TGマウスの分娩後子宮内腔にVEGF投与し、再上皮化が観察され、子宮内膜の修復障害がVEGFによりレスキューされた。CD9は子宮内膜上皮細胞から子宮内腔に分泌され、VEGFの分泌にも寄与することで子宮内膜の修復に重要な役割を果たすと考えられた。
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