研究課題/領域番号 |
23592422
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
牧野田 知 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80165688)
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研究分担者 |
藤井 亮太 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (30298351)
早稲田 智夫 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40367488)
富澤 英樹 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40319059)
藤田 智子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90350785)
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キーワード | 排卵障害 / G-CSF / サイトカイン |
研究概要 |
本学ならびに関連クリニックで、基礎体温法・経腟超音波検査法・各種ホルモン測定などによって黄体化未破裂卵胞(LUF)と診断された症例に対して、次周期にLHサージもしくは予想されるhCG投与の24~48時間前にG-CSF(レノグラスチム)100 μgを皮下投与し、排卵が認められるかLUFとなるかを診断した。その結果、66周期(63症例)のうち60周期で排卵が確認され、排卵率は90.9 %と高率であった。これらの症例のG-CSF周期以前の総排卵率は48.6 %(LUF率51.4 %)であり、この結果は有意差(P<0.001)をもってG-CSF投与がLUFを予防することを明らかにした。なお、G-CSF投与による影響としては、投与翌日に白血球数が20000 /μl以下に増加したが、この値も1週間以内に正常範囲内に戻り、他の検査値異常や特別な有害事象は認めなかった。 以上の結果から、G-CSFを用いたLUF治療の試みは極めて有用な方法であり、現在確立された治療法がないLUFに対しては、まず最初に行うべき治療方法であることが明らかにされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関連クリニックにおける排卵誘発法がClomiphene-hCG法から、自己注射によるhMG-hCG法に変更になり、LUF症例が減少したため。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように多くのLUF症例を提供していただいた関連クリニックにおいて排卵誘発法がLUFをきたしやすいClomiphene-hCG法から自己注射によるhMG-hCG法に変更になり、新しい症例のリクルートに困難を極めている。今後は既に保存してある血清を用いた各種ホルモンならびにG-CSFなどの検索を行い、G-CSFを投与したにもかかわらずLUFを呈した周期の原因究明を主とした研究の推進方策とする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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