研究課題/領域番号 |
23592431
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 潔 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70241594)
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研究分担者 |
鈴木 貴 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10261629)
吉永 浩介 東北大学, 大学病院, 准教授 (40343058)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | LC-MS/MS法 / 子宮内膜癌 / Intracrinology / Estrogen / Testosterone / Androstenedione / CRH |
研究概要 |
本年度は、子宮内膜癌局所でエストロゲンを含めた性ステロイド産生が行われているか否か、あるいは正常子宮内膜では同様の現象が起こっているかどうか、Intracrinologyの存在が、今回使う新しい測定法Liquid chromatography/ electrospray tandem mass spectrometry (LC-MS/MS)において証明されるかどうかを確認するための基礎実験を進めた。すなわち、子宮内膜癌組織での性ステロイド濃度(エストロゲンとしてEstradiol(E2), Estrone(E1)、およびアンドロゲンとしてTestosterone, 5α-dihydrotestosterone(DHT))をLC-MS/MS法にて微量測定し、従来法との精度を比較検討した。また、AndrostenedioneあるいはTestosteroneを基質として添加したあとでの性ステロイド濃度の測定を検討した。これらの実験により、LC-MS/MS法では従来法に比べて遜色なく測定ができること、基質として添加したAndrostenedioneやTestosteroneが、組織内において性ステロイド産生に使用されている可能性が示された。また、今回使用する子宮内膜癌培養細胞のクオリティー(エストロゲンレセプターが確実に発現しているか否かなど)を確認し、子宮内膜癌間質細胞との共培養実験を行うに当たっての基盤整備を行った。さらに近年、ストレスあるいは炎症と、エストロゲン依存性癌発症との関連性あるいは今回研究の中心をなしている局所でのサイトカイン発現との関連性が指摘されており、その観点から、ストレス制御に関与するとされる因子(corticotropin-releasing hormone (CRH)など)の子宮内膜癌での発現を検討すべく、免疫染色で使用する抗体の条件設定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい測定法Liquid chromatography/ electrospray tandem mass spectrometry (LC-MS/MS)の基礎実験、使用する子宮内膜癌培養細胞のクオリティーの確認および新たに使用する抗体の使用条件設定など基礎的な段階がおおむね終了した。
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今後の研究の推進方策 |
基礎的な段階がおおむね終了したことにより、この研究の基盤をなす内膜癌培養細胞と間質細胞との共培養実験およびヒト子宮内膜癌組織での微量ホルモン測定や免疫染色を本格的に行う。ただし、東日本大震災により、当大学でストックしていたサンプルを含めた研究材料は大半が失われており、今後のサンプル収集の推移などによっては、研究の遂行に多少の遅れが生じる可能性がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額と合わせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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