研究課題
昨年度に引き続きLiquid chromatography/ electrospray tandem mass spectrometry で、ヒト正常内膜、内膜癌で、性ステロイド濃度(エストロゲンとしてEstradiol(E2), Estrone(E1)、アンドロゲンとしてTestosterone, 5α-dihydrotestosterone(DHT))の微量測定を行った。ついで性ステロイド産生代謝酵素の発現を検討し、ホルモン濃度との相関を見ることで、どの酵素によって性ステロイドホルモンが局所で産生されているかを検討した。この検討で、癌組織中のTestosteroneの一部は、局所で5α-reductase type1の過剰発現により、DHTに転換されていることが明らかとなった。予後追跡可能な別のヒト類内膜腺癌症例群での検討で、5α-reductase type1発現症例は有意に予後良好であり、アンドロゲンは腫瘍の増殖進展に抑制的に働いている可能性が示唆された。また癌組織局所でのtumor-stromal interactionを見る目的で行った内膜癌培養細胞と内膜癌間質細胞との共培養実験では、単独培養に比較して共培養では、局所エストロゲン(E2)産生量のみならずエストロゲンレセプターとエストロゲン合成酵素の一つsteroid sulfatase (STS)の発現が有意に上昇していた。以上の結果から、サイトカインなどを介したtumor-stromal interactionが局所での性ステロイドホルモン合成に大きく関与することが示唆された。さらに近年、ストレスや炎症は、局所でのサイトカイン発現と関連するとされている。そこでストレス制御に関与するcorticotropin-releasing hormone (CRH)およびそのレセプター(CRHR1、2)のヒト内膜癌での発現を検討した。その結果、CRHR1が発現している症例は有意に予後不良であり、独立した予後不良因子であることが判明した。
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