研究課題
レチノイン酸(RA)は核内受容体に結合することによりその転写活性を調節し、様々な細胞の増殖を停止し分化・アポトーシスを誘導する。また、RA受容体(RAR)を介するシグナル伝達を阻害することにより癌の発症や増殖・進展が引き起こされると報告されている。これまでに、子宮内膜癌で強発現しているRARαとERαに直接結合する新規共通転写制御領域の同定および機能解析を行うためにIshikawa細胞を用いた。ERα標的結合領域と比較検討ためVenn diagramを作成し、推定される共有標的月号領域を選定したが共通する遺伝子は同定されなかった。今回、改めて2種の子宮内膜癌細胞株(Ishikaw細胞、RL95-2細胞)を用いた検討行うとともに、異なるレチノイン酸(ATRA:all trans-retinoic acid)を添加し、推定される共有標的結合領域の検討を行った。今回、AM580およびATRAを用いて、子宮内膜癌で強発現しているRARαおよびERαに直接結合する新たな共通の転写制御領域を同定し、その機能解析を行うためにERα陽性の2種の子宮内膜癌細胞株を用いて検討を行った。その結果、RL95-2細胞を用いた共有標的遺伝子の検討で、SMAD3遺伝子のプロモーター領域が候補としてあがった。この領域は、以前に行ったレチノイン酸添加後の遺伝子発現変化を時間ごとに調べた検討でも指摘された遺伝子領域であった。SMAD3は5種類あるSMADの中でも重要なサブタイプである。また、RL95-2細胞を用いてRARαをノックダウンしAM580を添加したところ、ノックダウンしない状況と比較しSMAD3の発現が有意に低下した。これらより、SMAD3はRARαとERαに直接結合する共通転写制御領域であり、RARαとの関連によりレチノインサン治療に繋がると期待された。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 4件)
Int J Clin Oncol
巻: accepted ページ: accepted
Oncol Lett.
巻: 5 ページ: 835-839
Nutr Cancer.
巻: 65 ページ: 954-960
10.1080/01635581.2013.818158.
Gynecol Oncol.
巻: 131(2) ページ: 299-303
10.1016/j.ygyno.2013.08.018.
J Minim Invasive Gynecol.
巻: 20 ページ: 255-258
1016/j.jmig.2012.10.016.
Tohoku J Exp Med.
巻: 229 ページ: 75-81
Int J Clin Oncol.
巻: 2 ページ: 534-539
10.1007/s10147-013-0534-9
産婦人科の実際
巻: 62 ページ: 1201-1206