研究課題/領域番号 |
23592440
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
端 晶彦 山梨大学, 医学部附属病院, 准教授 (10208431)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 子宮頸部腺癌 / 胃型形質 / LEGH / HPV-DNA |
研究概要 |
子宮頸部胃型腺癌、通常の子宮頸部腺癌、悪性腺腫(minimal deviation adenocarcinoma: 最小偏倚型粘液性腺癌)症例およびLEGH (Lobular endocervical glandular hyperplasia)に腺癌合併している症例におけるパラフィン包埋組織より切片を作成し、免疫組織化学染色の検討およびhigh-risk HPV感染の有無を計画、実施しているが、未染標本にてKi-67、p16INK4a, CEA, p53, Apoptosis, HIK1083, HER/neu, MUC1~13、リンパ内皮マーカーD2-40の免疫組織化学染色を行い、alcian blue / periodic acid-Schiff ( AB-PAS )二重染色を行っている。またISH法によりHPV DNAの核内への組み込みの有無とPCR法による型判定を検討しているが子宮頸部胃型腺癌、悪性腺腫、LEGHに腺癌合併症例では胃型形質が確認でき、HPV DNAの核内への組み込みが確認できる症例は極めて少ない。またp53の過剰発現が高頻度に見られる。一方それ以外の通常の頸部腺癌では高率にhigh-risk HPV DNAの核内への組み込みが確認できる。またp53の過剰発現がほとんど見られない。これらより胃型形質を発現している腺癌は通常の頸部腺癌と発癌経路が違うことが推定できている。このような症例の臨床的予後などの検討を付加することにより臨床的取り扱いを確立できるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の通り本研究は、子宮頸部胃型腺癌、通常の頸部腺癌、悪性腺腫、LEGHに腺癌合併症例におけるパラフィン包埋組織より切片を作成し、免疫組織化学染色の検討およびHPV感染の有無を計画しているが、未染標本にてKi-67、p16INK4a, CEA, p53, Apoptosis, HIK1083, HER/neu, MUC1~13、リンパ内皮マーカーD2-40の免疫組織化学染色を行い、alcian blue / periodic acid-Schiff ( AB-PAS )二重染色を行っている。またISH法によりHPV DNAの核内への組み込みの有無を検討しているがいずれも当初の計画よりも早く進展している。一方LEGH症例を用いてのクロナリティー解析は研究計画よりも遅れているが、総体的にはおおむね順調に経過していると評価している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度には免疫組織化学染色の検討および超高感度ISH法によるHPV感染の有無の検討終了とPCR法によりHPVの型を検討する。LEGH症例を用いてのクロナリティー解析、臨床病理学的背景の検討、画像所見の特徴の検討に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費として免疫組織化学染色の検討の完成のための試薬、子宮頸部胃型粘液発現病変におけるHPV感染の有無検討のためのHPV-in-situ 一式(ISH法はcatalyzed signal amplication sysytemを応用した超高感度ISH法(GenPoint System)を用いる)、PCR一式(PCR法はL1C1/L1C2プライマーを用いてPCR法、陽性検体を用いてシークエンス解析でHPV型判定)、LEGH症例を用いてクロナリティー解析(Methylation-specific PCR ( M-PCR) 法)などの消耗品費に充当する。これまでの成果を学会において発表・討議するために一部旅費に充当する。なお研究進行予定の順番が少し前後した関係で研究費使用予定が変更となり次年度に持ち越して使用することになった。
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