研究概要 |
1. GnT-IVaプロモーター解析 GnT-IVaプロモーター上流域-1900bp~+47bpについて、ルシフェラーゼアッセイ用のpGL3ベクターを -1900/+47, -991/+47, -723/+47, -541/+47, -347/+47, -167/+47, -151/+47, -141/+47, -129/+47, -109/+47, -63/+47の11種類作成し、絨毛癌細胞株JarとBewoに導入しアッセイを行った。48時間培養後に測定したルシフェラーゼ活性は、pGL3(-167/+47)ベクター導入細胞比べると、pGL3(-151/+47)ベクター導入細胞で有意に低下を認めた。-167から-151にプロモーター活性制御部位があると思われた。その領域内の存在する結合可能な転写因子を検索したところ、NFkBファミリーの結合領域を認めた。TGGATTTTTCからTGGATGGGGAに変異したNFkB結合配列の変異ベクターを導入したところ、ルシフェラーゼ活性が約15%に低下し、有意な変化を認めた。以上より、NFkBファミリーがGnT-IVaの発制御を行っている可能性が示唆された。 2. C2GnT-1の絨毛性疾患における発現の検討 糖転移酵素C2GnT-1の発現について、正常胎盤(妊娠初期、中期および満期)、胞状奇胎、侵入胞状奇胎、絨毛癌の組織を用いて免疫組織染色を行った。抗体は、サンタクルズより販売されている抗体を購入して行ったところ、正常胎盤や胞状奇胎ではほとんど発現を認めなかった。一方で、絨毛細胞の悪性腫瘍である絨毛癌および侵入奇胎で発現を認めた。正常胎盤、胞状奇胎、絨毛癌細胞株より蛋白を抽出し、western blotを行ったところ、免疫染色と同様、正常胎盤や胞状奇胎では弱い発現しか認めなかったが、絨毛癌細胞株では強い発現を認めた。
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