研究課題
オンコリティックアデノウイルスは、アデノウイルスE1Aプロモーター領域に腫瘍特異的プロモーターであるmidkineプロモーターを導入したAdE3-midkineを用いた。オンコリティックウイルスは陰性荷電であるため(1元)、これに対し陽性荷電のポリエチレンイミン(polyethylenimine、PEI)(2元)さらには腫瘍特異的なCD44を受容体とする陰性荷電のコンドロイチン硫酸を加工(3元)し、これらをさらに多重加工することにより抗体存在下においてその抗腫瘍効果を検討した。9元目以降で抗腫瘍効果は増大し、13元目で最大となり、それ以降の加工においては抗腫瘍効果の増加は認められなかった。また、走査電子顕微鏡的検討により、静置による多重加工により凝集していることが明らかとなったため、ミキサーを用いてミキシングしながら、また、PEIおよびコンドロイチン硫酸の反応量、反応時間、ミキシングの強度を検討して、多重加工の方法を比較検討した。ミキサーを用いて10分間の反応時間で、PEIおよびコンドロイチン硫酸を少量ずつ加えることにより、凝集を防ぐことができ、立体的に多重加工できることが明らかとなった。B6C3F1マウスと同種由来の卵巣癌細胞株OVHMを用いた免疫機能が正常なsyngeneic mouse modelを用いたin vivoにおける抗腫瘍効果を検討したところ、腹腔内腫瘍モデルにおいて60%、皮下腫瘍モデルにおいて90%の完全腫瘍退縮が得られ、ヒト臨床試験開始可能な良好な成績が得られた。
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Molecular Therapy--Methods & Clinical Development
巻: in print ページ: n print
Molecular and clinical oncology
巻: 1 ページ: 165-170
10.3892/mco.2012.27