• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

子宮頸部扁平上皮癌およびLSIL・HSIL・ASCの核クロマチン分布の定量的解析

研究課題

研究課題/領域番号 23592454
研究機関九州大学

研究代表者

加来 恒壽  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60185717)

研究分担者 大喜 雅文  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10160441)
小林 裕明  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70260700)
杉島 節夫  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50380382)
田宮 貞史  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60284486)
渡邊 壽美子  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90404087)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード細胞診断学 / 子宮頸癌 / 子宮頸部異形成 / 核クロマチン / ベセスダ・システム
研究概要

子宮頸部扁平上皮癌およびLSIL, HSIL, ASCなどの症例を病理学的に分析して抽出し、細胞学的所見を検討した。これらの症例について計量的研究を行い2次元の核クロマチン分布の検討を行った。クロマチン分布をPeripheral(P)型,Mixed(M)型,Central(C)型の3つに分け、 Malignancy Indexを求め病変の有無との関連性について分析した。核クロマチン分布を定量化する画像解析プログラム開発し、オープンソースとして利用できるよに、プログラムによる解析方法を下記の方法のように機能をさらに充実・強化した。核中心から核辺縁へ向かうピクセル値分布を層状に計測し、核クロマチン分布を定量化し、ピクセル値分布の傾き(傾き値radial distribution (RD) value)を計算する。すなわち核中心から辺縁にかけて実測したピクセル値分布と回帰直線を作成し、核中心と核辺縁間の濃度分布を直線とみなした場合の2点間の濃度差を表している。検討対象の核クロマチン分布をPeripheral(P)型,Mixed(M)型,Central(C)型を3つのパターンに分け、傾き値(RD) valueとの関連を明らかにて、この成果をQuantitative image analysis of nuclear chromatin distribution for cytological diagnosis. Acta Cytologica 2011;55(5):455-9として発表した。 またこの開発したプログラムを活用して第52回日本臨床細胞学会(2011)において細胞周期からみた核クロマチンの意義―臨床検体への応用を目指して―および子宮頸部扁平上皮系病変におけるRD法の有用性の検討を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度に計画していた子宮頸部扁平上皮癌およびLSIL, HSIL, ASCなどの症例について計量的研究を行い、2次元の核クロマチン分布の検討を行った。クロマチン分布をPeripheral(P)型,Mixed(M)型,Central(C)型の3つに分け、 Malignancy Indexを求め病変の有無との関連性について分析し、その成果を学会で発表した。 核クロマチン分布を定量化する画像解析プログラム開発し、オープンソースとして利用できるように、プログラムをさらに充実・強化した。核中心から核辺縁へ向かうピクセル値分布を層状に計測し、核クロマチン分布を定量化し、ピクセル値分布の傾き(傾き値radial distribution (RD) value)を計算するプログラムの開発ができ、その成果を紙上(Acta Cytologica)に発表した。 共焦点レーザー顕微鏡を用いて、子宮頸癌由来の培養細胞のクロマチンの3次元構造の解析を計画していたが着手できなかった。

今後の研究の推進方策

開発した核クロマチン分布を定量化する画像解析プログラムを用いて、子宮頸部扁平上皮癌およびLSIL, HSIL, ASCなどの症例の解析をさらに進める。またパパニコロウ染色細胞標本同上の細胞を脱色後、RNAseを反応させた後PI(Propidium Iodide)染色を施行し、蛍光顕微鏡およびレーザー顕微鏡を用いてデジタル画像および核DNA量を測定する。 共焦点レーザー顕微鏡を用いて、子宮頸癌由来の培養細胞のクロマチンの3次元構造の解析にも取り組む。子宮頸部扁平系細胞由来の培養細胞チャンバースライドで生きた状態(live cell)の培養細胞にGreen Fluorescent protein (GFP) を導入・発現させcell cycleに関する蛋白pKi67やfibrillarin等各種機能性タンパクの動態を共焦点レーザー顕微鏡を使用して3次元的解析を行う。 研究データ(臨床的事項を含め)の統計学的解析を行う。

次年度の研究費の使用計画

(1)物品費(30万円) 薬品・試薬、および実験器具(25万円)、論文別冊(5万円)(2)旅費(35万円) 研究成果発表のための旅費として使用する。(3)人件費(14万円) 研究を効率的に進めていくために、昨年度、人件費として使用できなかった金額分を増額する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] 子宮頸部細胞診におけるfiber cellの意義2011

    • 著者名/発表者名
      仲正喜、大久保文彦、渡邊壽美子、田宮貞史、加来恒壽、杉島節夫、山元英崇、小林裕明、小田義直
    • 雑誌名

      日本臨床細胞学会雑誌

      巻: 50(4) ページ: 209-213

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Quantitative Image Analysis of Nuclear Chromatin Distribution for Cytological Diagnosis2011

    • 著者名/発表者名
      Jingu R , Ohki M , Watanabe S , Tamiya S , Sugishima S , Kaku T
    • 雑誌名

      Acta Cytologica

      巻: 55 ページ: 455-459

    • DOI

      10.1159/000330672

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Preoperative Differential Diagnosis of Minimal Deviation Adenocarcinoma and Lobular Endocervical Glandular Hyperplasia of the Uterine Cervix2011

    • 著者名/発表者名
      Takatsu A,Shinozawa T,Miyamoto T,Kurosawa K,Kashima H,Yamada T,Kaku T,Mikami Y,Kiyokawa T,Tsuda H,Ishii K,Togashi K,Koyama T,Fujinaga Y,Kadoya M,Hashi A,Susumu N,Konishi I
    • 雑誌名

      Int J Gynecological Cancer

      巻: 21(7) ページ: 1287-1296

    • DOI

      10.1097/IGC.0b013e31821f746c

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞周期からみた核クロマチンの意義‐臨床検体への応用を目指して-2011

    • 著者名/発表者名
      渡邊壽美子、加来恒壽、田宮貞史、鷲山和幸、金城満、杉島節夫、小林裕明、中尾佳史、横山正俊、岩坂剛
    • 学会等名
      第52回日本臨床細胞学会総会春期大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2011年5月22日
  • [学会発表] 膀胱注入療法に伴う核クロマチン分布の経時的変化-RD療法とPMC分類の比較検討-2011

    • 著者名/発表者名
      山口将太、渡邊壽美子、金城満、鷲山和幸、坂梨史則、田宮貞史、神宮綾多郎、大喜雅文、加来恒壽、杉島節夫
    • 学会等名
      第52回日本臨床細胞学会総会春期大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2011年5月21日
  • [学会発表] 子宮内膜癌における同一症例の組織像と組織像の比較検討‐化生細胞に注目して-2011

    • 著者名/発表者名
      遠峯由希恵、加来恒壽、渡邊壽美子、田宮貞史、杉島節夫、小林裕明、小田義直
    • 学会等名
      第52回日本臨床細胞学会総会春期大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2011年5月21日
  • [学会発表] 細胞周期からみた核クロマチン分布の検討2011

    • 著者名/発表者名
      上原俊貴、渡邊壽美子、田宮貞史、西村和徳、加来恒壽、中尾佳史、横山正俊、岩坂剛、杉島節夫
    • 学会等名
      第52回日本臨床細胞学会総会春期大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2011-05-22
  • [学会発表] 子宮扁平上皮系病変におけるRD法の有用性の検討2011

    • 著者名/発表者名
      西野彩、渡邊壽美子、田宮貞史、加来恒壽、小田義直、大久保文彦、小林裕明、和氣徳夫、大喜雅文、杉島節夫
    • 学会等名
      第52回日本臨床細胞学会総会春期大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2011-05-22
  • [学会発表] 培養細胞を用いた核DNAロケーションとPap染色性の比較検討2011

    • 著者名/発表者名
      釣本美沙貴、渡邊壽美子、田宮貞史、西村和徳、鷲山和幸、金城満、加来恒壽、横山正俊、岩坂剛、杉島節夫
    • 学会等名
      第52回日本臨床細胞学会総会春期大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2011-05-21
  • [学会発表] Pap染色における核所見と核DNA量の比較検討2011

    • 著者名/発表者名
      渡邊英理子、渡邊壽美子、田宮貞史、西村和徳、鷲山和幸、金城満、加来恒壽、横山正俊、岩坂剛、杉島節夫
    • 学会等名
      第52回日本臨床細胞学会総会春期大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2011-05-21

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi