研究課題/領域番号 |
23592461
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
安田 真一 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60133279)
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研究分担者 |
山内 忍 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70433589)
池田 雅志 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00095027)
深澤 一雄 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00189911)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 卵巣明細胞癌 / 癌幹細胞 / 脂肪細胞 / アデポカイン・レセプター / 癌治療標的 |
研究概要 |
ヒト卵巣明細胞癌の成因機序の解析について癌幹細胞をもとに検策するためにヘキスト色素にて染色して、セルソーターにて癌幹細胞をSide population1(SP)にて分画・採取することを何度か試みたが、ソート分画した後にこの細胞はほとんど採取できなかったため、目的の解析をすることができずにいた。この要因を検討しようとしていた際に、研究代表者の手の握力が効かなる疾患を発症しため、実験を中断し、入院・治療を行った。実験に支障がない状態に回復したが、現在も治療中である。当初の計画はやや遅れている。 上述のごとく癌幹細胞の採取ができない要因の一つとして、細胞集団中の目的の細胞が少ないため操作の途中で本細胞の容器などへの接着によるロスが生じて、細胞を消失したことが考えられてため、1)高頻度な癌幹細胞を得るため、卵巣癌細胞に抗がん剤を添加して耐性細胞の誘導を行った。2)Nerosphere形成にて癌幹細胞の増強を誘導させた。さらに3)卵巣癌細胞を分化誘導剤にて処理することで、グリコーゲン・脂肪の蓄積が促進し、脂肪細胞様の形態の細胞が誘導でき、この細胞は卵巣明細胞癌様を呈することが観察され、4)この卵巣癌細胞の卵巣明細胞癌への形態変化を検討したところ、細胞の脂肪の蓄積に関してアデポカインおよびレセプターが関与していることを示す結果を新たに見出した。これらの成果を基にして、目的のこの細胞に特異的に発現する分子およびmicroRNAをマイクロアレイ等にて検索して解析することを計画中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目的の細胞を得るためソートしたが細胞が得られなかった事に加え、上述のごとく、代表者の病気が発症したため、実験が不可能となったことによりこの間の検討ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績で述べたごとく、FACSでソート後の卵巣明細胞癌の癌幹細胞が得られないことに関して、これを得るために幾つかの検討を追加し、この細胞を得られる事の目安が出来た。さらに卵巣明細胞癌の成因に関与するであろう因子についての可能性が得られたため、これらを基にした解析を通して、卵巣明細胞癌の成因機序の解析を進める一方、この制御に関して、これらの制御に関与する分子の検索を検討することを計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の推進がやや遅れているが、当初の計画に加え、「研究実績の概要」で述べた新たな点を検討するため、目的の細胞に特異的に発現する分子およびmicroRNAをマイクロアレイ等にて検索して解析するための費用として使用する予定である。
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