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2013 年度 実績報告書

卵巣癌における間質細胞・間葉系幹細胞による免疫抑制機構の解明と克服法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592464
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

岩田 卓  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30296652)

研究分担者 藤田 知信  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20199334)
キーワード免疫抑制 / 卵巣がん / 間葉系幹細胞 / がん免疫療法
研究概要

本研究では、癌間質の由来の一つとされる骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)に着目し、間質細胞と免疫細胞、癌細胞の三者の相互作用を分子・細胞レベルで解析し、癌微少環境における間質細胞の意義を腫瘍免疫学的見地から解明することを目的とする。MSCとしては、マウスではPDGFRα+, Sca1+細胞(PαS細胞)を用いて解析を行った。本年度は、昨年度単離した、腫瘍浸潤MSC (Tumor infiltrating PαS (Ti-PαS))の性質を解析した。Ti-PαSではTi-nonPαSに比べ、VEGF、IL10、COX2などの免疫抑制分子が数倍高発現していることが分かった。また、マウスリンパ節内に存在するPαSについて解析したところ、腫瘍の所属リンパ節内のPαSは、それ以外のリンパ節内のPαSに比べて、MHC classIIの発現が減少していることが分かった。次にヒトの腫瘍組織内、および末梢血中のMSCを、二つの表面マーカーで定義される細胞分画をFACSで測定することで、解析した。健常人及び担癌患者3症例の末梢血では、MSCは検出されなかったが、腫瘍組織内では8症例中4症例でMSC様の細胞が検出された。そのうち1症例は腫瘍の約0.3%をMSC様の細胞が占めていた。以上より、がん組織の間質および、腫瘍所属リンパ節内にあるMSCは、マウスでは、免疫抑制分子の産生を通して、免疫抑制的な腫瘍微小環境の構築に関与しており、さらにヒトの腫瘍組織においてもMSCが存在し、何らかの免疫抑制に関与していることがが示唆された。

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公開日: 2015-05-28  

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