研究課題
1、硫酸化糖脂質が子宮内膜癌の分化誘導に関係するか、移植腫瘍への投与実験、培養細胞への投与実験を行っている。腺腔形成、分化誘導を起こしている傾向が確認された。2、各種子宮頸癌由来細胞の糖脂質発現について解析した。用いた細胞は低分化型腺癌由来HCA-1、高分化型腺癌由来OMC-4、小細胞癌由来HCSC-1、非角化型扁平上皮癌由来SKG-3b、Boku、HKUSP、Helaである。すべての細胞に共通にみられる特徴としてGM2の発現があり、さらに糖鎖末端にGM2構造を持つGalNAc-GM1bおよびGalNAc-GD1aがBoku、HKUSP、OMC-1、HCA-1、HCSC-1に検出できた。a経路ガングリオシドの発現は外胚葉性組織の特徴の1つであり、また、GalNAc転移酵素の高発現はウイルス感染と関係があるとの指摘もある。その他の特徴として、コレステロール硫酸はHCA-1に高発現し、スルファチドはSKG-3b、Boku、HKUSPのみに発現していた。今後、各細胞の性質を解析する上で有用な指標になると思われる。3、卵巣がん患者血清中の糖タンパクを糖ペプチドに分解し、その糖ペプチドを正常人血清中糖ペプチドと質量分析器を用いて比較解析することで、新たな卵巣癌に特異的な糖鎖腫瘍マーカーを発見した。特許申請を行い、現在想測定キットの開発中である。
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