研究課題/領域番号 |
23592471
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 吉也 東北大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30422116)
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研究分担者 |
山口 壹範 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (80373215)
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キーワード | 卵巣癌 / がん幹細胞 / 表面マーカー / 免疫不全マウス / フローサイトメトリー |
研究概要 |
卵巣癌がしばしば示す治療抵抗性獲得機構には癌幹細胞が関与している事が最近の研究で明らかとなってきた。本研究ではフローサイトメトリーFACSAriaIIによる細胞分取法と超免疫不全マウス(NOGマウス)による腫瘍in vivo assay法を活用し卵巣癌幹細胞に特異的なマーカーの同定を目指した。我々は卵巣癌の中でも特に予後不良な卵巣明細胞腺癌に注目し、卵巣明細胞腺癌特異的マーカー分子同定を目指す。平成23年度は研究計画1として、卵巣明細胞腺癌に特異的に発現する癌幹細胞マーカーを同定するために、卵巣明細胞腺癌株(4種)およびコントロール用に他組織型卵巣癌株(5種)を用い、各種癌幹細胞マーカーの発現を①FACS AriaIIを用いて発現解析、比較検討を行い、これらの中から癌幹細胞マーカー候補を検索した。その後幹細胞の性質の有無を、②Sphere colony assay③NOGマウス接種により確認した。特にES2細胞とTOV21GがNOGマウス接種後に非常に強い腫瘍増職能を示した事から、我々はこの二つの細胞株を用いて、いくつかの卵巣がん幹細胞マーカー候補分子を目印にしてさらに分画し、NOGマウスに接種を行った。なかでもEpCAM(+)とEpCAM(-)で分画した場合、EpCAM(-)分画の方が高い腫瘍増職能傾向を示した。以上の事から平成24年度は予定通り、<研究計画3>候補癌幹細胞マーカーに対するEpCAMノックダウンsiRNA導入による機能解析に取りかかった。卵巣がん細胞株にドキシサイクリン誘導型のEpCAM遺伝子をレンチウイルスベクターに導入し、EpCAM遺伝子がドキシサイクリン投与により発現誘導される事を確認した。最終年度はこの遺伝子導入細胞株を用いて機能解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、平成24年度中に<研究計画3>まで到達することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策については、予定通り<研究計画3>候補癌幹細胞マーカーに対するノックダウンsiRNA導入による機能解析を完了し、引き続き、<研究計画4>マイクロアレイ解析による癌幹細胞マーカー関連遺伝子探索に到達したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
<研究計画3>候補癌幹細胞マーカーに対するノックダウンsiRNA導入による機能解析と<研究計画4>マイクロアレイ解析による癌幹細胞マーカー関連遺伝子探索に使用する、培養液、血清、分子生物学研究試薬類の購入にあてる。
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