胆汁酸の排泄促進作用をもつ抗脂血症治療薬プロブコールには抗炎症作用、抗酸化作用、神経保護作用を有することが知られている。本研究ではプロブコールのアミノグリコシド系抗生剤によって惹起される内耳有毛細胞死に対する抑制効果を検討した。蝸牛器官培養系で有毛細胞をゲンタマイシン0.3mMに暴露したところプロブコールには有毛細胞のアポトーシスを抑制し有毛細胞の生存率を上昇させる効果があることが判明した。その効果には至適濃度があり100μMのプロブコールが最も効果があった。本研究の結果からすでに臨床で使用されているプロブコールによって種々の蝸牛有毛細胞死を抑制できる可能性が示唆された。
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