研究課題
【研究目的】感音性難聴には、生まれた時より発症する先天性難聴、あるいは加齢性難聴、騒音性難聴などが含まれ、それらの発症の原因として、遺伝的要因あるいは騒音等の環境ストレスが関わっていると考えられているが、未だ不明な点が多い。一方、神経堤細胞の制御遺伝子、エンドセリン受容体B(EdnrB)はメラニン異常及び先天性難聴を伴うワーデンブルグ症候群の原因遺伝子の一つとして、内耳・血管条の中間細胞(色素細胞)の発達に関与している事が知られている。EdnrBは神経系にも発現していることが報告されているが、聴神経系でのEdnrBの役割は全く分かっていない。そこで、先天性・加齢性難聴予防の新たな標的分子として内耳の聴(ラセン)神経節のEdnrBを解析した。【結果】EdnrBをラセン神経節に強制発現したトランスジェニックマウスの加齢性難聴に対する耐性を検討した。加齢性難聴は遺伝子背景が大きく影響する事が報告されている事から(Noben-Trauth et al., Nat Genet 2003)、DBH-EdnrB-Tg マウスをC57BL/6J系統あるいはICR系統と各々戻し交配を10回以上実施し、DBH-EdnrB-Tgマウスの耐性の有無を各々検討した。その結果、C57BL/6J系統の遺伝子背景では耐性傾向を示したが、ICR系統の遺伝子背景では同様の傾向を示さなかった。内耳における両バックグランド間の主な違いはcadherin23の変異およびメラニン色素の有無であるが、ラセン神経節に発現するEdnrBとの関連は不明である。【今後の検討課題】今後、加齢性難聴と関連する遺伝子背景も考慮して、ラセン神経節に強制発現したEdnrBの加齢性難聴に対する耐性を慎重に検討する必要がある。
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