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2012 年度 実施状況報告書

音響外傷性難聴における細胞死制御メカニズムと新たな治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592482
研究機関神戸大学

研究代表者

山下 大介  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (60306785)

研究分担者 神崎 晶  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50286556)
藤田 岳  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 医学研究員 (90533711)
キーワード内耳 / 細胞死 / 再生
研究概要

音響外傷性難聴における内耳細胞死のメカニズムを詳細に解明し、その結果に基づき治療へのアプローチを多角的に検討することが本研究の目的である。
本年度は、糖尿病モデル動物(I型)を作製し、その聴力閾値・内耳形態の経時的な変化に加えて、音響曝露による影響を検討した。糖尿病モデル動物作製は、プライエル反射良好なC57B6/Jマウス(8週齢、オス)を用いた。ストレプトゾトシン(100mg/kg)を2日連日腹腔内投与し、I型糖尿病マウスを作製した。生食を腹腔内に投与したマウスをコントロール群とした。聴覚機能評価に関しては、2群のマウスに対して、ABR(Auditory Brainstem Response)にて聴覚閾値を測定した。baseline, 1,3,5ヶ月のタイムポイントで、4, 8, 16, 32kHzの4周波数を測定した。音響曝露は、糖尿病導入後6ヶ月経過したマウスと、同月齢のコントロールに4kHz, 105dBのオクターブバンドノイズを2時間曝露し、Temporary threshold shift (TTS)モデルを作製した。その後、音響曝露直前と、曝露後1,3,5,7,14日後にABRを測定した。内耳形態評価に関しては、各群とも1、3、6ヶ月の時点でABR測定後に断頭し中耳骨胞を摘出した。また音響曝露した群も、14日後のABR測定後に中耳骨胞を摘出した。固定、脱灰後にパラフィン包埋切片を作製し、HE染色にて内耳形態の評価をおこなった。音響曝露後の聴力回復は、糖尿病群で有意に障害されていた。糖尿病群の内耳ではコントロール群と比較し、コルチ器や血管条に光学顕微鏡上では形態に変化はみられなかったが、CD31による免疫染色では蝸牛軸の血管壁に有意な肥厚が観察された。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、糖尿病モデルマウスにおける蝸牛血管障害と音響曝露の影響を調べ、糖尿病モデルマウスの内耳では音響による内耳障害に対して脆弱であり、またその原因は血管障害に起因している可能性が示唆された。その結果が英語論文に採択された。以上からおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

次年度は色素性乾皮症モデル動物を用いて、音響外傷性難聴における内耳細胞死のメカニズムを詳細に解明し、その結果に基づき治療へのアプローチを多角的に検討し、治療薬への開発につなげたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

次年度も動物購入代、飼育代、抗体・試薬各種、生化学(免疫染色等)関連消耗品を主体に本研究をすすめる予定である。また、成果を取りまとめるにあたっては、国内外の学会発表や海外英文誌への投稿などを積極的に行う予定であり、その際の旅費、謝金、学会参加費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Increased inner ear susceptibility to noise injury in mice with streptozotocin-induced diabetes2012

    • 著者名/発表者名
      Fujita T, Yamashita D, Katsunuma S, Hasegawa S, Tanimoto H, Nibu K.
    • 雑誌名

      Diabetes

      巻: 61 ページ: 2980-2986

    • DOI

      10.2337/db11-1845

    • 査読あり
  • [学会発表] Mechanism and Protection Against Noise-Induced Hearing Loss2012

    • 著者名/発表者名
      Yamashita D, Kanzaki S, Ogawa K, Nibu K
    • 学会等名
      Japan-Korea Joint Meeting of Otorihnolaryngology-Head and Neck Surgery
    • 発表場所
      Kyoto
    • 年月日
      20120413-20120414

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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