研究課題/領域番号 |
23592489
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
松田 圭二 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40253835)
|
研究分担者 |
鍋倉 隆 宮崎大学, 医学部, 助教 (20301385)
長井 慎成 宮崎大学, 医学部, 助教 (70404457)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | プレスチン / 細胞容積 |
研究概要 |
プレスチンの競合阻害薬であるサリチル酸を前投与した外有毛細胞に低浸透圧液を負荷すると細胞容積調節が阻害されることが報告(Zhi M et al. 2007)されており、プレスチンが細胞容積調節に関与していることが、間接的に推測された。我々は、プレスチンが細胞容積調節に関与していることを異なった方法で証明することにした。Cell lineであるHEK293 cellにプレスチンをトランスフェクションし、低浸透圧溶液を負荷することで細胞容積調節の動態を調べた。(1)顕微鏡に装着したモニターにて細胞容積を測定する。(2)パッチクランプ法にて細胞容積調節に関与する電流を測定する。といった二つの手法を用いることにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)細胞容積測定 HEK293 cellにプレスチンをトランスフェクションする事に成功し、低浸透圧溶液を負荷して細胞容積調節を測定することが可能となった。プレスチンをトランスフェクションすることで調節性容積減少(regulatory volume decrease:RVD)が抑制されるという結果を得た。(2)電流測定RVD時に認められる容積感受性クロライド電流を測定し、解析する予定である。細胞容積測定に関する環境整備は整い、結果を得られるまでに至った。電流測定に関してはパッチクランプのセットアップがようやく完了したところである。
|
今後の研究の推進方策 |
プレスチンをトランスフェクションした細胞にアミノグリコシド系抗生物質を投与して耳毒性は生じるのか?細胞容積調節に変化は生じるのか?ということを主眼に置いて研究していく。細胞容積はCCDカメラを用いて測定。細胞容積調節に重要な容積感受性クロライドチャネルの解析をパッチクランプを用いて行う。Cell lineで得られた結果がラットでも同様に得られるかを確認していく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
現在、CCDカメラ、パッチクランプに必要な研究機器は整った。今後、ラットで同様の実験を行う場合には細胞容積調節が聴覚に及ぼす影響も検証していく予定である。そのためにABR、蝸電図といった聴覚測定機器が必要である。次年度の研究費は聴覚機器の整備、実験用品(薬剤など消耗品)、実験動物、学会などの出張旅費などに充てる予定である。
|