目的:超磁歪式骨伝導振動子と磁気コイル式骨導振動子を用いたハイブリッド骨導補聴器の試作機を作成し、現在ある骨導補聴器と比較することである。 方法:①試作器をの作成:試作器は、磁気コイル式骨導振動子と超磁歪式骨振動子を使用して作成した。②現在ある骨導補聴器の現状について文献的に検索した。③埋め込み式骨導補聴器との比較をした。 結果:①試作器は、磁気コイル式骨導振動子としてOticon社製BC462、超磁振動子としてフレェイ社製BCHS-FT002を使用して、フレイ社製のアンプを用いて外部入力として補聴器をHB-G7PAを使用して作成した。試作器の出力は、3000Hzを境に低音域では磁気コイル式骨導端子の出力が10~15dBHL大きく、高音域では超磁歪式骨導端子の出力が6~8dBHL大きいことが示された。②騒音下でも音を聴取することができる骨導集音器が多く製品化していることが分かった。更に埋め込み型骨導補聴器が完全埋め込み型骨導補聴器として開発されてきていることがわかった。③アンケートにより埋め込み式に補聴器に抵抗を感じている親の割合が多かった。 考察:外耳道閉鎖症、耳漏の継続する慢性中耳炎など伝音難聴に対し気導補聴器が装用できない症例に対し骨導補聴器が適応となる。しかし従来ある磁気コイル式骨導振動子の性能から出力に限界があり、特に高音域での出力が弱く気導補聴器と比較して言葉の聴き取りが悪いとされている。この弱点を補うため、骨導振動子の振動を直接頭蓋骨に与える埋め込み型骨導補聴器が世界で行われるようになり現在7万人が装用している。感染などの合併症が多いことからsoundbridgeやbonebridgeのような振動部埋め込み型やEsteemやCarinaのような完全埋め込み型骨導補聴器が開発されてきた。しかし、埋め込み式に以前抵抗を感じている患者、家族が少なからずいることがわかった。
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